レッドソックス岡島メジャー初セーブ

 セットアッパー(中継ぎ)のはずのレッドソックスの岡島が、なぜか伝統のヤンキース戦での初戦のクローザー(抑え)として急遽登板し、ジーター、Aロッドなどの上位打線を封じ、メジャー初セーブを挙げた。

初セーブを挙げチームメートと喜びの岡島(The New York Times)

ボストン本拠地での登板で1点差でファンのヒートアップを大きい中、見事に期待に応えた形で、本人にとっても驚きとともに記憶に残る登板となったようだ。

 松坂フィーバーの陰で、米国ファンには井川以上に目立たない存在に思われていそうだが、中継ぎの連投をするごとに着実に安定した投球を見せてきている。
 松坂とは年齢的にも先輩であり、先輩後輩の上下関係のはっきりしている野球界なら「松坂」とか「大輔」と呼び捨てにしそうなところを「ダイスケくん」と呼んでいるようで、プレッシャーが大きいであろう松坂の側面からサポートをしているあたり、岡島の人柄を感じさせる。


 独特の「あっち向いてホイ投法」は、巨人時代からコントロールが心配され、ボールの行き先はボールに聞いてくれ、のように揶揄されていたほどだった。先発を期待された時期もあったが、定着できずに中継ぎとして使われてきたが、安定した結果を出すようになってきたのは日本ハムにトレードされてからのようで、日本ハム優勝の陰の原動力となったようだ。レッドソックスは、松坂に比べ、岡島のどこを評価していたのかわからないが、思わぬ掘り出し物の買い物をしたと思っているかもしれない。安定した成績を残していけば、かつての長谷川やドジャース斎藤のようにクローザーに定着する可能性もある。


 この活躍を我が事のように喜び、かつ強い嫉妬の念を抱いている男がいるに違いない。それは桑田だろう。岡島は、巨人時代からメジャー移籍が決まった今シーズンまでも、自主トレでは最も尊敬する桑田に常に帯同してきた。投手としての技術や精神も桑田から吸収してきたことが大きいと言ってもいいだろう。その桑田に先んじてメジャーで結果を出した。桑田には大きなことは望めないだろうが、後輩にも刺激を受けて、最後のひと花を咲かせてほしいものだ。


 これで松井が復帰すれば、ヤンキースタジアムでの松坂との対決もあるが、抑えで岡島が登板し、1点差で最後の打者として松井を迎えるというシーンもありうるだけに、日本人(旧・巨人ファン?)としてはやや複雑なところだ。