松井2000本安打達成
誰も驚きはしない松井の2000本安打が、5月6日(現地)に達成された。背番号にちなんだ5月5日に達成とはいかなかったが、ちょうど名球会入りの記念ブレザー贈呈のために金田名球会会長のヤンキースタジアム訪問を待っていたかのような記録達成になった。それも一度はエラーと判定されたものが覆っての達成で、松井とカネやんのギャグのネタのようにさえ思われた。
松井2000本安打達成「一生忘れられないヒットに」
観客も去った後のヤンキースタジアムは、相変わらずのカネやんの独壇場だったようだ。まずは試合前、グラウンドに下りた途端、松井とイチローを呼び捨てで呼びつけて、自分が中央に立って強引に両者を握手させている。
松井の記録達成についても「この人にとっては、こまい、こまい。次は3000本を目指せ」。またスタジアムにあるヤンキース永久欠番選手のレリーフを見て「この中に入れるように頑張れ」と。
同じ日にヤンキースからロジャー・クレメンスのヤンキース復帰の発表があったが「クレメンスのことなどどうでもよい。松井の方が大事じゃ」と、さすがに日本の400勝投手なだけにクレメンスなど眼中にないわいと言わんばかりだ。この人は暴言も多いようにも思われるが、この歳になっても意気軒昂、天真爛漫ぶりは変わらないようだ。
ところで、意外なことは、ホームラン打者と思われている松井は、日本ではイチロー、榎本喜八、張本勲に次ぐ史上4位の速さの記録達成であることだ。試合数の違いもあるが、昨年の怪我がなければイチローに次いで2位になっていた可能性もあった。3人はいずれも「安打製造機」と呼ばれた人たちである。これを見ても、松井はホームランか三振かというパワーヒッターではなく、選球眼で勝負するコンタクトヒッターであることを窺わせる。
逆に考えると、もし単純なパワーヒッターであったなら、マイナーも含めてメジャーにはそのての選手はゴロゴロいるわけだから、メジャーではレギュラー定着は難しかったかもしれない。イチローとは違うが、コツコツと打って打点も稼いできたことが、チームの信頼をかちとってきたことになるのだろう。そうは言っても長嶋監督の談話のように「いつかはメジャーでホームランか打点のタイトルを」と期待したい。