Javaが正式オープンソース化
規定路線だったとはいえ、Javaが正式にオープンソースプロジェクトになった。これまでユーザの立場としては、コンパイラをSunのサイトから自由にダウンロードして使用することができたわけだから、特に大きく変わることはないが、Javaに関わる開発を行う組織、団体にとっては大きな意義があるのだろう。
サン、Javaをオープンソース化--Java SE向けJDKをOpenJDKで公開
http://openjdk.java.net/ OpenJDKサイト
オープンソースになることで、さまざまな団体でJavaの「方言」が生み出されて互換性が失われることが懸念されるが、JavaはGPLライセンスを適用するという。この懸念とは、かつてMicrosoftがJavaをまねて問題になった 100% Pure Java のことがあるのだろう。
GPLはある意味、最も過激なフリーのライセンス規定である。GPLで定義されるフリーソフトウェアと、近年でいうオープンソースソフトウェアは、商用利用への考え方で微妙に温度差があるはずである。
ビジネス指向のSunが、JavaにGPLを適用したというのは少し驚きでもある。Stallman氏の勧告を聞き入れたというのが、何やら感慨深い。経営陣はともかく、SunといえばBill Joyである。Javaの開発にはBill Joyが裏で大きく関わっていたと言われる。UNIXの2大テキストエディタであるviといえばBill Joy、EmacsといえばRichard Stallmanが創始者であることは、もはやUNIXの歴史そのものになっている。
同年代の天才プログラマでありUNIXの神様でもある2人の間に、何か暗黙の合意があったのではないのかと想像してしまう。
Javaに関わるものでいえば、Red Hat LinuxがFedoaraプロジェクトに移ったり、EclipseがIBMからEclipseプロジェクトに移ったようなものだろう。
ワークステーションがUNIXの主流でなくなった1990年代から、Sunの代表的プロジェクトといえば、やはりJavaであろう。ただSun自体がJavaそのものでどれだけ利益を出してきたのかは疑問である。もともと目先の利益よりも中長期的な視野から世に出したのがJavaであり、ネット時代になって、すでにその目的は達成されたといってもいいのだろう。