オンラインオフィスソフトはどうなる

 しばしばGoogle Docs & Spreadsheets を話題にしているが、Web上のオフィスソフトはGoogleMicrosoftだけでなく、いろいろと登場しており、世界的市場に広がる可能性がありそうだ。
 そのWeb上のオフィス1つであるThinkFreeが、あのソフトウェアを何でも安く提供してしまうソースネクストから日本語化されて提供されるらしい。

ソースネクストがThinkFree日本語版を提供

ThinkFree: http://www.thinkfree.com/common/main.tfo


もともと昨年末あたりには、GoogleYouTubeの買収を実行した部隊が、ThinkFreeの買収を交渉していたという話なので、それなりにWebワープロとしての機能は評価されているのだろう。


 少し古くなったが、当時は英語版だけだったWebワープロの比較が紹介されている。

Web-based ワープロの機能比較表

 さらに文書の共有化、同時編集ということに力点を置いているSoloboxというものもある。

文書を複数人で共同編集できるオンラインワープロ「solodox」

Solobox: http://www.solodox.com/


 パッケージのOfficeにはない、オンラインのワープロやオフィスの可能性として共有文書化がある。これはビジネスの場面ではグループウェアの1つの機能として、きわめて重要な可能性となりそうだ。
 たとえば外部に提出しなければならない公文書を作成するとき、その文書を直接扱うのは事務方で、内容を記述するのは現場の担当者という場合が多い。現場担当者に事務方から書類記入の依頼が来るのだが、誤った書式で書くと差し戻されることもよくある。現場はいちいち細かい書式などは気にしている暇はないので、このような手間が煩わしくてしようがない。
 Webで共有ならば、ほとんどリアルタイムの作業で、現場担当者は文書の内容、事務方は書式の校正だけを分業して行うことができそうだ。これはソフトウェア開発で、プログラム部分とデザイン部分を分業できるようにすることに相当している。


 これまでは安くもないソフトウェアパッケージを買わされて、使えるの使えないのと不満も言っていたが、オンラインのWebでいろいろなサービスが無償提供されるのだから、気軽に文書作成、共有のテストをしてみることもできそうだ。まともな文書を作ろうとすれば日本語環境が問題になる。従来のOffice互換ワープロから言われている、特に複雑な罫線入り文書の再現性とか、Microsoft Officeとのファイル互換性である。


 いろいろ問題はあるだろうが、これまでのソフトを購買するときのように二者択一を迫られたり、コスト比較で悩まされることはないだろう。大きなネットの世界の流れからすれば、もはや高いソフトを買わされるのが当たり前の時代ではなくなっている。またライセンスの縛りから、結局1社独占状態のようになり、好むと好まざるとに関わらず、そのソフトを使用することが強いられるなどという帝国主義時代さながらのこともなくなるだろう。


 ワープロ文書などは、言語ばかりでなく、その国の文書の特殊事情にも影響されるだろう。そういう意味では、すっかりWordに駆逐されてしまった感があるが、まだ根強いファンも多い一太郎がオンラインワープロで復活できる可能性はあると思うが、どうであろうか。