NTT東日本の通信障害

 NTTで最大規模の通信障害が発生し、14都道府県に影響があったという。特にIP電話では110、119番も不通の状態になったという。昨年の秋にもあったらしいが、過去に電話の障害といえば、災害時は別とすれば、ケーブルが切断されてある地域が不通になった事件があったというくらいしか記憶がない。

NTT東「フレッツ」「ひかり電話」で広範囲に通信障害

ネット的には、IP電話はアナログ電話に代わって社会的インフラとして、全面的に切り替わるにはまだまだ問題が多いということを世間に知らしめたことになったのだろうか。


 一部のルータ機器の交換が波及してルータ全体がダウンしたということだが、ちょっと考えにくい。NTT東日本だけで相当数のルータだろうが、それだけの規模になって負荷が大きくなると、どういう現象が起こるか予期できないことだったのだろうか。いずれにしても誰も経験のない規模のことで、最悪の結果を招いてしまったのだろうか。


 そもそもインターネットとは、ネットの一部が障害にあっても、全体はダウンすることなく機能し続ける分散処理が本質的なはずである。それが「一部の機器が故障のため」というのは、ネットの設計が悪いとしかとしか思えない。インターネットでは経路に障害がある場合、常に迂回ルートを自動的に検出して通信するような冗長経路になっているはずである。想像するに、迂回ルートを見つけるソフトウェアにバグがあるか古いものだったため、存在するはずの迂回ルートを見つけることができずに、交通渋滞を起こし回線がパンクしたということだろうか。


 今回の失敗を糧にして、NTTとしてはノウハウが得られて進歩していくのだろう。大量の個人情報を漏洩させてしまった企業が、以後はセキュリティに強い企業に変わっていくようなものだ。しかし、いつもユーザはそのための実験台にされている気がする。