猪木新団体に藤波も参加か?

 あまり話題にもならなくなったプロレスだが、久しぶりに猪木と藤波の話題があった。猪木新団体(IGF)に藤波も協力する可能性が出てきたようだ。さて、元プロレスファンの出番かな?

藤波が猪木と“再タッグ”!IGF参戦へ

 古いプロレスファンならば、この二人の師弟関係をよく知っているだろう。今やほとんど日本のプロレスの歴史になったといってもよい。プロレスが好きだった頃は、よく二人の話の記事や特集を読んだりしたものだ。その情報源の中心だった週刊ゴングもなくなったが、最近ではスポーツ紙で以下のようなものがある。

プロレスの証言者 藤波辰爾(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)(9)(10)(11)(12)(13)

 猪木といえば新日本プロレスだった。新日本プロレスからは多くの選手を輩出したが、自分にとって特に正統的に強く記憶に残る選手は、猪木、藤波、佐山(タイガーマスクである。この3人の若い頃の試合には「これぞプロレス」という歴史的名勝負があった。どんなパフォーマンスやショーをやろうが、彼らの共通のベースになっているストロングスタイルの原点はプロレスの神様カール・ゴッチである。


 猪木、藤波を含め、新日本プロレスの創設時のメンバーは、皆いなくなってしまった。猪木は強烈な個性のために、その周囲で多くの人間が離合集散を繰り返してきた。それは今でも続いているようだ。

 その中で藤波だけは、猪木と他人にはわからない特別な関係にある。無名の新人選手時代に猪木の付き人だった藤波は、猪木が会社乗っ取りを企んだとして、突如追放されたことを知る。そのとき試合会場に貼り出された「猪木欠場」を知らせる紙を不安げに見つめる17歳の藤波少年の一葉の写真がある。
 その直後、藤波は「猪木に付いていく」という意志を固め、猪木の巡業中の大きなトランク4つを1人でどうやって運び出したのか、自分でも覚えていないほど無我夢中の思いで巡業先から飛び出したという。


 その後両者にはいろいろなことがあったが、この若き日の思いが藤波の猪木との原点であろう。良い時ではなく、最悪の時の経験を共有しているからこその結びつきである。


 もう猪木の時代でもないだろう、というのが一般的な認識だとは思うが、何か波乱がなければ、プロレスはこのまま終わってしまうだろう。旧師弟コンビが、もう一波乱を起こすことはできるだろうか。もう少しは見守りたいものだ。