Firefoxがシェアを伸ばす
Firefoxがまたシェアを伸ばしたそうだ。といっても予想された範囲で、12.7%で半年前よりも1%増えたという。反対にIEは1%シェアを落とし、84.7%であり、IE 6が56.4%、IE 7が27.7%の内訳だという。
Firefoxがシェア伸ばす、最新ブラウザ市場調査
昨年秋にFirefox2.0のリリースに合わせるかのように、MicrosoftはIE7をリリースしたが、リソースの少ないWindows XPでは動作がよくなくて、自分はあわててアンインストールしてしまった。Vistaのマシンくらいメモリも贅沢に積んであれば快適なのかもしれないが、IE7になかなか移行していないというのは、Vistaに移行していないことと表裏一体だろう。
そうしているうちにトータルではIEがシェアを落とし、ちょうどその分ユーザがFirefoxに移行したと見てとれる集計である。
コンピュータやネットにやや詳しい人にとっては、マニアックな好みでもなんでもなくて、すでにFirefoxの方が「世界標準」である。セキュリティの問題、スタイルシートやAjaxの標準への対応などについてIE6はすでに古いブラウザに属するものであり、かといってパフォーマンス面でスムースにIE7にも移行もできない。タブブラウザどうこうの好みの問題ではなく、現状ではFirefoxがベストな選択になるのである。むしろシェアが伸びるのが緩やか過ぎるのはないかと思えるほどだ。
ただこの集計は、個人が標準ブラウザとして使うものを1つだけ回答するようになっているのだろうか。少しわかる人ならば、現実的にはForefox2.0とIE6の両方を使い分けているだろう。Webページの中には、いまだにIEでしか見れないようなWebの作りをしているサイトも存在するからだ。またWebページを提供する側としてもIEでも見え方をチェックする必要があるから、やはり使わざるをえない。
他のブラウザとしては、SafariはWindows版が出たこととiPhoneの発売とのからみで今後シェアを伸ばすことが予想される。Operaは一時期話題になった頃、使い続けたことがあるが、やはり落ちやすいこともあり、だんだん疎遠となって、今はアンインストールしてしまっている。そうしたらシェアが0.6%くらいしかなくなっていたとは、さもありなんである。
そしてブラウザの元祖といえるNetscapeもまだなくなったわけではないようだが、なんと0.1%のシェアだという。Netscapeのサイトは、そのままあるのだがNetscapeは7.1が2003年にリリースされてから全くバージョンアップされていない。事実上、開発は打ち切りになっているのだろうか。リンク先を訪れてみても、みなAOL管理のサイトになっているだけである。
かつては今のIEくらいのシェアを誇っていたのだが、ネットの世界の栄枯盛衰を感じさせる。特にAOLに買収されてからは、有能な開発者はFirefoxのMozillaに移籍してしまったりしたのだろう。そもそも、NetscapeのオープンソースがベースになっているFirefoxが、事実上Netscapeの遺伝子を受け継いだブラウザなのだが、先祖のNetscapeは老衰死を待つのみのようだ。自分もインターネット初期の頃からNetscape派だったので、今ではほとんど起動することもなくなったNetscapeだが、アンイストールする気にはなれない。
かつてのOS戦争に似ていなくもないブラウザ戦争だが、Webの進化にともなって、まだまだ変化は続いていくようだ。