Webカメラとビデオチャット

 関心はあるが、まともにはやったことがないのが、Webカメラを使ったリアルタイムのコミュニケーションである。一般の人のその関心度についての調査がある。

自分の顔を見られるのが恥ずかしい〜Web カメラ所有者は12%程度

 確かに今ではその気さえあれば、別にNTTなどに断らなくても、ネットにWebカメラさえあれば、昔から言われてきたところの、いわゆる「テレビ電話」が、簡単に特定相手と時間制限もなく、安価に実現できてしまう時代である。「テレビ電話」という言葉さえ、なにか時代を感じさせる言葉である。昔はリアルタイムで人の顔が見られるようなメディアはテレビしかなかったので、こういう呼ばれ方がするようになったのだろう。
 数十年前のアナログ公衆回線で、リアルタイムの映像を流そうとするものだから、結果は知れたものだがNTTの局内でデモ機を見たことがあったような気がするが、静止画像がときどき更新されるようなものだったと思う。


 それが今ではゲゲゲの鬼太郎の「目玉おやじよろしく、QcamのようなビデオカメラをノートPCの上辺部に挟んで自分の顔を映しながら、何とかメッセンジャーやらSkypeのようなソフトを起動するだけで相手と通信できてしまう。
 ただ、相手とのコミュニケーションで常に自分の顔を登場させたいかどうかとなると、携帯などでも同様だろうが、特に日本人には抵抗があるようだ。これは欧米人などに比べれば、コミュニケーション文化の違いと言うべきだろう。
 日常的には、家族や恋人でもない限り、あまり心の準備がなく、たとえ相手は1人だとしてもあまり顔を出したいとは思わないものだ。寝起きの顔だったりくたびれてリラックスしていたいときはなおさらだ。女性なら化粧を落とした顔では出たくないだろうし、男同士なら用はあっても顔を見なければならない必然性すら感じない。


 顔はともかく、そのときの身なりや部屋や周囲の様子を見られたくない場合もある。思うに映像をそのまま送るのではなく、今のようにアバターだのキャラクタを登場させることができるのであれば、顔だけ本人の実物で、あとは仮想のものでコミュニケーションが取れるようなことができれば、少しは抵抗感が和らぐ気もする。Second Life ではないが、相手の部屋を訪ねていって顔と声だけは本物で対話ができるような仕掛けである。仮想だからどんなに立派な部屋でも、豪華なもてなしでも可能である(笑)。


 プライベートはともかく、仕事や社会生活の場では、ちょっとした発想でいろいろなコミュニケーションのアイデアが生まれてくることだろう。ただ初対面の人はどうしても外見で先入観を持ってしまうので、場面場面でどこまで晒すかという判断は「人間的な」部分での難しさがありそうだ。