参議院選結果出る

 予想以上というか、自民党大敗の結果となったようだ。小泉政権のときは何やら劇場型というパフォーマンスのムードで自民党が大勝したが、今回はその反動が来たか、投票率が上がらない割には与党には厳しい結果になったようだ。

 詳しい要因はこれからいろいろ分析が出るだろうが、選挙直前まで騒がれた年金問題や大臣の失言の数々もあったが、それだけが原因ではなさそうだ。


 特に1人区の、昔であれば保守の基盤となっているという地方選挙区で、軒並み自民党が敗れていることだ。かつては自民党の大物代議士に頼っていられたのかもしれないが、代が変わり、2世、3世の議員になってから地方を省みなくなり、自民党離れが始まってきたのかもしれない。といっても民主党も地方では未知数であるから、マニフェストの内容どうこうよりも、選択肢がない結果であったかもしれない。

 わざわざ死票になるのが明らかな候補に投票するのもつまらないと考えれば、選択肢は限られたものになる。マスコミも含めて、抽象的なイメージキャンペーンばかりで投票行動が動かせるとは思えない。あまりにもそれは日本の国民を馬鹿にしていると感じる。笑顔のさわやかさを売りにしたポスターやら、テレビCMを見せられると、ますますそう感じる。


 一方、米大統領選の米民主党の候補者選では、今回からはネットによる運動も繰り広げられているという。各候補者がさまざまな有権者からYouTubeに投稿された政策に対する質問やら提案に、各候補者に答えるというものだった。
 22歳の大学生が、各候補者の写真を貼った手作りのプラカードを画面に示しながら、次々と議論をしかけて候補者もそれに応えるというものだった。さすがアメリカというか、大学生くらいでも堂々と議論を仕掛けられるし、政治家の方もよどみなくそれに応える。またその様子をリアルの聴衆とネットの聴衆も聞き入っている。どこかの国の大臣の受け答えとは比較にならないと思える。


 「インターネットは民主主義の道具」というのがインターネットの原点の思想でもある。実際、それが実現するには社会の成熟が必要である。現在のネットには、セキュリティの問題や悪用の恐れもないとはいえないが、時代の流れをいち早く取り入れて使うという姿勢は、いまだにお願い選挙だけをやっている国は見習うべきものがある。

 匿名掲示板では言いたいことは言えるが、ネットに堂々と顔を出しながら政治家と対等に議論できるような素養は、やはり基礎の教育から必要なのだろう。自分もある程度の議論ができるようになったのは、経験を積んだある年齢以上になってからだし、タフな議論ができるとも思えない。


 ともあれ、当面は政治情勢がどうなっていくのか。古い政治体質、マスコミ体質が変化していくことを願うだけだ。まだ深夜の選挙のTV番組は続いている。