朝青龍にストレス障害なし?

 あまり関心のない人にとっては横綱朝青龍の「問題」は何が問題なのか、理解に苦しむものだと思えるのだが、「朝青龍は鬱になどなっていない」と言うと、すわ「また仮病か」と思われかねないが、なんだか笑えるような話の記事があった。

朝青龍「ストレス障害でない」“日本の母”ズバリ断言 

朝青龍をよく知る、日本のかーちゃん曰く「チンギス・ハーンの子孫はそんなにヤワではない」そうだ。これには妙に納得した。もともと日本の医師や親方は無理に鬱病にしたがっている感じがしていた。裁判の時に心神喪失状態であったことを理由に、減刑か情状酌量を訴えるような発想かもしれない。ちょっと落ち込んでいるか、落ち込んだフリをしているのを強引に鬱病にしたがる方がよほど茶番である。


 大相撲の格式だか品格だかわからないが、朝青龍の不遜な態度に怒る人もいるようだが「たかが大相撲」ではないのか。そんなに「日本伝統の」にこだわるのであれば、女性を土俵に上げないのと同様に、初めから外国人力士を認めなければよいのではないか。ちょんまげを結ったからといって、日本人と同じ心を持てというのも無理な話である。もちろん文化の世界では、日本に同化しようとする外国人もいる。しかし相撲は元来が、強ければいい世界である。悪役・朝青龍より強い日本人力士を育てられないのだから仕方がない。


 過去にも何度か問題を起こしたというが、他のスポーツ分野でもトップ選手が問題を起こしている例はいくらでもある。本業で強いから許されている場合も多い。薬物疑惑にあるバリー・ボンズだってその1人だろう。法に触れる犯罪を犯したのならともかく、相撲の世界の中の内規だけの問題ではないのか。


 相撲協会からすれば、仮病を使って巡業をコケにされたということなのだろうが、事情を知らない者から見れば、モンゴルで中田とサッカーをやっている姿は本当に楽しそうだった。力士でサッカーであんな軽快な動きができるのは朝青龍だけだろうし、あらためて朝青龍の運動能力の高さが示されたなんて評価さえある。


 ところで今回の騒動で、妙な存在感を見せたのが高砂親方こと大ちゃんである。親方としての指導力不足などと批判されているが、現役時代からどこか、いい加減さ、ダメっぷりがむしろ魅力だったのではなかったか。今回の会見などでもその面目?躍如で、むしろ笑えたくらいである。こんなことに目くじらを立てている人がいる?としたら、その方がよほど平和ボケだろう。むしろ相撲協会のせいで、日本とモンゴルの関係にヒビが入ることの方が心配である。


 そういえば、以前から朝青龍のことは猪木がプロレスや格闘技に引き抜きを狙っている。1人横綱になってしまってからそうもいかなくなったが、精神的にはその方がよほどやりやすいことは確かである。仮に公衆の面前で猪木をぶん殴ってしまっても、笑って許される世界であるから。