Windows Vista SP1の配布は2008年に

 あまり前向きの話題とはいえないWindows Vista のサービスパック1の配布は、早ければ年内にもという噂もあったが、結局年明けになることがMicrosoftから発表された。

Vista SP1、登場は2008年第1四半期--マイクロソフト発表 (CNET Japan)

 いつも思うのだが、商売上の手法なのだろうが、このサービスパックという呼び方はやめてほしい。何かオマケかプレゼントじゃあるまいし、実体は修正パッチとか修正パッケージなどであるのだから、不具合をごまかす表現に思えてしまう。

 Vistaはどうなるのかわからないが、昔からWindowsは同じバージョンであっても、パッケージを購入する時期によって明らかに内容が異なっているということはよくあった。
 ほとんどはサービスパックが含まれているかどうかの違いだと思われるが、ドライバが古かったりメニューが違っていたりと、古いパッケージだとうまくいかないことが多かったと記憶する。もっとも今のように、ネットで頻繁にアップデートしたりドライバを入手したりという時代でもなかったのだが、それにしてもソフトのバージョンは同じなのに、いろいろ異なるところが出てくるというのは、複数のマシンを用意しなければならないような時に困る。ライセンスが足りない分、少し以前に購入しておいたパッケージからインストールすると、他のマシンと様子が違ってしまうということになるのである。


 細かいことは忘れてしまったが(覚えていても後で何の役にも立たない)、それまでうまく行っていたことが急にうまくいかなくなったりして、おかしいと悩んでいたら、サービスパックを入れたことが影響していたとか(多くの場合、セキュリティを「勝手に」強化しましたとかでアプリケーションがエラーを起こしたりする現象)、逆にこれまでWindowsではどうしてもうまくいかない、とサジを投げていたことが、サービスパックを入れたら、あっさり可能になっていただとか(知らんぷりしてバグ修正をしていたのかも)、サービスパックの正体はえたいが知れないのである。


 XPのときは、Service Pack 2 での変更が大きかった。組織などではService Pack 2 が出てもすぐに導入するようなことはせずに、世間的には不具合が解消されるのを待つ様子見がほとんどであった。実質、XP 2.0だったと言ってもいい。
 Vistaのサービスパック1も、事実上Vista1.5へのバージョンアップのようになるのかどうか、Microsoftはなかなか油断がならない。単に毎月に定期アップデートや緊急アップデートを蓄積したものになるのか、あるいはそれに便乗してWindowsの変更も加えたりするのかどうか
 そうそう、それからSP1のダウンロード容量は1GBもあるそうだ。たいそうなアップグレードである(呆)。まさかクライアントごとに自動更新されないだろうな(汗)。


 来年の年明けだとしても、新年度を控え、組織では少なくとも半年から1年の間は様子見になるだろう。それ以前に、来年度から入れ替えでVistaにしようかどうかというところが一番困るのではないか。マシンのリース期限が切れて、新しいマシンにするのに、また XP を導入するというのも抵抗のあるところだろう。いや、現実にはまだWindows2000が普通に稼動しているところも少なくない。そういうところでは、4月前にサービスパック1を適用した上での入れ替えをしたいはずである。導入してしまってから、またちょくちょくしたパッチ当ての作業はしたくない。そうでなくてもトラブルが続出して、安定するまでは時間がかかることが目に見えているからである。


 一番よい方法はWindowsを使わないことであろう。と言ってしまうと現実味が薄いように思われるが、Web2.0シンクライアントによって(OSはWindowsは使わない)、これは可能になると思う。ただ現場がそれに対応していけるには、発想の転換とセキュリティを含めた啓蒙のための時間の方もまた、かかりそうではある。