Windows Liveの新サービス公開

 MicrosoftSaaSであるWindows Liveの新サービスが公開された。これまでのMSN HotmailからWindows Liveへと名前を変え、Microsoftの周辺サービスだったものから、本腰を入れるサービスになりそうな感じである。「どう見てもGoogle対抗サービスです。本当にありがとうございました」といったところだが、この先、どのようにSaaSを展開していくつもりなのだろうか。

Windows Liveデスクトップスイートの正式版が公開に(ITmedia)
MS、「Windows Live」の新サービスを立ち上げ(ITmedia)
Windows Liveデスクトップスイートの正式版が公開に(CNET Japan)

 まだいろいろなサービスを試してみたわけではないが、ユーザにとっては選択肢が増えることは歓迎である。ただ、このジャンルでは、もはやMicrosoftGoogleを追撃する立場になっている。Googleを意識してSaaS化を進めれば進めるほど、自分で自分の首を絞めかねないことになる。


 Microsoftからすれば、WindowsのPCだけから使えるサービスにしたいところだろうが、Webサービスだとそうもいかない。そして最大のものは、Microsoft Officeが簡易版にしろ、無償サービスでは提供されていないことである。このへんが担当者が「SaaS(Software as a Service)と呼ばれる形態もあるが、例えばビデオの編集はローカルでやったほうがいいというように、全てのソリューションをネットワーク上で提供することは適当ではない。当社はソフトウェアとWebサービスを組み合わせて提供していく」と言っている所以だろう。例に挙げているビデオ編集なら、すでにAdobeYouTube上に提供し、かつPremiereのパッケージを持っているわけだからあまり理由にはならない。Windows Mediaだけの中での話ということになるだろう。


 ブログやSNS、画像や動画などに関してはすでに専門サイトが存在しているし、Microsoft独自性を出せるとしたら、それはOffice分野しかないだろう。そして現在、デスクトップのOpenOffice.orgも含めて、最もSaaSの激戦区のターゲットになりつつある分野である。ところが当のMicrosoft有償ライセンスのパッケージソフトが売れなくなると、経営基盤そのものを揺るがすことになりかねず、OfficeはWindows Deadソフトになりかねないだろう。


 新サービスを立ち上げる一方で、Officeの将来をどうしていくつもりか、さらにいえばWindowsそのものが存続しうるかということにもなるだろう。個人的には、Microsoftが作り上げたこれまでの形のパッケージのライセンス商法は、早く安楽死してほしいと思ってはいる。