さっそくGPhone対iPhoneの比較

 GoogleAndroidが公表されて、さっそく気の早い向きではAndroidが搭載される仮想の電話機GPhoneと、すでに話題をさらっているiPhoneの比較の議論が起きているようだ。

GPhone対iPhone:セキュアなのはどっち?(CNET Japan)

 Androidだ、GPhoneだといっても、まだ実体のある携帯電話機が出ているわけでなく、プロジェクトの名称に過ぎないのに比較も何もないだろうと思えるのだが、そういう議論をネタに食っている人も少なくないということか。
 議論は、GPhoneはLinuxカーネルをベースにするオープンソースによる開発であり、iPhoneはクローズドなプロプライエタリな開発であるから、両者のセキュリティ面での比較はどうかということらしいが、そんなことだったら、別にGPhoneとiPhoneに限った話ではないだろう。携帯における特殊性はあるものの、オープンソースとクローズドの比較であったら、LinuxWindowsのセキュリティの比較でも同じことである。


 ベースがLinuxだからということかもしれないが、すでに国内の60%もの携帯OSがLinuxになっているという事実は、やや驚きである。携帯初期の頃には、あの坂村健氏が元祖のTRON OSがもてはやされていたと思うが、やはりじわじわとLinuxのシェアが伸びてきたようだ。同じくオープンソースであるJavaアプリを搭載したあたりから転換してきたのかもしれない。オープンソースモデルだから、たとえ現時点では非力だったとしても、開発の進む速さも大きい。Linuxそのものがそうして進歩してきたOSだからである。


 オープンだから悪意あるクラッカーにもその脆弱性を突かれる心配がある、などと言うのなら、とっくにネット上のLinuxサーバーは次々にやられているはずである。いや、やられているサーバーもあるかもしれないが、何も携帯だけが危ないということにはならないということである。新しいLinuxカーネルはよりセキュアになっているし、そこから上の開発部分のソースは公開しなくてもよいということなので、問題はカーネルのことだけだろう。


 それはともかく、GPhone vs iPhone という図式よりも、GoogleiPhoneに好感を持っているようだし、実体のハードは存在しないことから、将来的には GPhoneとiPhoneの「大連立」がありうるのではないのかと思っている。Googleとアップルとでは、モバイル分野といってもビジネスの土俵が違うので、十分ありうる話だと思うが、さてどうなるか。