南極は破局寸前

 南極が難局を迎えている、などという冗談も言っていられない状況のようだ。すでに北極は流氷がなくなってきて白熊なども生息の危機になっていると聞いていたが、南極の方もやはり深刻になってきているようだ。白熊だけでなくペンギンもピンチどころか、人類がピンチに陥るかもしれない。

「南極は破局寸前」 視察の国連事務総長 (MSN産経ニュース)

 今年ほど地球温暖化の影響のことが、至る所で言われ出したことはなかった。それでもテロやイラクや、石油値上がりのことやら身近な問題ばかりが問題である。確かに酷暑の日は続いたが、それと地球温暖化とダイレクトに結びつけるのも、何となくピンとこないところではあった。
 ところが北極も南極も氷がどんどん解け出してきているのは、これは大変そうである。地球の歴史の中で何百万年かかって形成された南極の氷柱が、短期間にどんどん解けてなくなっていることになる。これが地球全体に影響しないわけはない。


 昔の「日本沈没」の映画では、日本列島が海面の水位が高くなって水没してしまうのだが、日本はどうかはわからないが、太平洋に面した島や国で水没を免れないところは少ないないだろう。それ以上の影響も計り知れない。ある意味、恐竜が絶滅した時代に似たような時代にさしかかっているのかもしれない。ただそれが地球の自然の変化ではなくて、住んでいる人類の影響ということがなんとも皮肉である。やはり人類は、地球にとってのガン細胞みたいなものに過ぎないのだろうか。


 科学者でもない国連事務総長がわざわざ南極を視察に行ったということは、専門家の強い警告を聞き入れて、それを国際社会に強く地球温暖化対策の推進をアピールする意図であったのだろう。しかし、いまだにテロだの戦争だの、ナショナリズムだのとやっている人間や各国が一致団結して、危機に立ち向かえる日は来るのだろうか。