テープはハードディスクより省エネルギー

 ネットというより、結果的に地球環境問題に影響することになるのであろうか。エネルギー的にテープが見直される向きがあるという。アクセス効率的には一笑に付したいところなのだが、改めて考えさせられる面があると思われる。

「テープはハードディスクの20倍エネルギー・コストが低い」(ITpro)

 確かにハードディスクは常に高速回転を続けているが、テープは読み書きのアクセスがあるときだけだけ動作しているはずだから、消費エネルギー的には圧倒的に小さいと言えそうだ。ハードディスクはますます大容量になり、その分さらに回転数も増して電力も食うようになっているだろう。地方の家電量販店にすら1TBのハードディスクも見かけるようになった。個人のPCのシステム構成もハードディスクだけでなく、使用電力的にどんどんエスカレートしている。

 ましてやサーバー群や巨大なストレージを抱えるデータセンターや、Googleのような「情報発電所」に至っては、エネルギー効率の改善が急務になってくる可能性がある。


 地球温暖化対策が世界的に叫ばれる中で、最も急速に発展しているインターネットの基盤となるITインフラが、実はCO2排出の元凶となるのでは、人類にとってもシャレにならないことになる。これを「IT温暖化問題」と呼ぶようである。

ITインフラのエネルギー効率化(ITpro)

 その効率化の1つとして、過去のものとなりつつあるテープを見直してはどうかという真面目な議論らしい。シークエンシャルアクセスのテープがランダムアクセスのハードディスクの回転円盤よりも高速にはなりえないが、そこはアーカイブなりに使うような運用によってカバーできるかもしれない。
 いずれにしてもストレージとしての単価がどんどん安くなり、録画デッキもビデオカメラも何でもハードディスクが全盛時代になっているが、地球温暖化対策という地球規模の観点から、そろそろ見直す時期が来ているようだ。