勝者はBlu-rayでもHD DVDでもなくHDD

 数日前にはBlu-rayでもHD DVDの標準規格争いは、コンピュータ側から見ればもはやどうでもよい話と書いたが、HDDディスクメーカーのSeagateが同じようなことを言っている。

「勝者はBlu-rayでもHD DVDでもなく、ハードディスク」--シーゲイトCEOが発言(ITmedia)

この中で「本当の争いは物的流通と電子的配信との間で行われており、Blu-rayHD DVDもこの争いでは敗者だ」と言う。HDDメーカーのアピールだという点を差し引いても、ユーザにとっても実感だろう。ネットで動画など大容量のファイルの交換が可能になった現在では、そのファイルの保存にしろバックアップにしろ、大容量のストレージであるHDDしか選択肢はありえない。そのHDDも単体でテラ単位になりつつある。もはやDVDは中途半端であり、速度的にも魅力はない。


 HDDが勝者というよりは、ネットによる配信が勝者というべきなのだが、そのベースを支えているのが大容量HDDであろう。大容量でありながら小型軽量化し安価にすることができた技術のおかげである。フラッシュメモリも同様である。一方でDVDはサイズや容量の自由がきかない。ビデオカメラに組み込むにも、結局そのサイズがカメラのサイズを限定してしまうなど、速度も遅い上に融通がきかない。ちょっとしたファイルの移動のために、わざわざDVDを焼いてなどということは、物好きでもなければあまりやりたいとも思わない(昔何でもCDに焼きたがるという人はいた)。


 HDDの円盤にさらに細かく溝を掘って、同じサイズで容量を何倍も大きくする技術も進んでいるようで、ますますDVDとは差がつきそうである。見方を変えれば、現代のネットワークによる流通はHDDによって支えられていると言ってもよいだろう。