日本人メジャーリーガー続々キャンプイン

 今年は昨年以上に日本人メジャーリーガーが増えた。1人1人記事で伝えるのも容易でないくらいだろう。いまだに日本人選手が本当にメジャーリーグに通用するのが、昔を知っていれば不思議なくらいである。正確にはメジャーリーガーというよりメジャー復帰を目指す選手にやはり注目が行く。思い入れのある選手の何人かを取り上げよう。

野茂メジャー復帰へ新トルネード投法(nikkansports.com)
生き残り懸け桑田がキャンプイン
松井、術後初100球打ち「開幕大丈夫」
井川がキャンプイン、投球練習はなし/黒田、斎藤、井川らキャンプ始まる

 まずなんといっても野茂である。これだけ日本人選手がメジャーリーグに行きやすくなったのも、パイオニア野茂の存在があってこそのものであり、この事実だけは「永久に不滅」である。現在メジャーを目指す選手のように内外から期待されていたわけでなかったことが、余計に野茂の偉業を引き立たせることになった。そして何度もゼロから這い上がってきた姿は、ますますファンの脳裏に焼きついている。年齢的な限界、怪我の回復状況などの不安要素もあるが、いつものように淡々とした野茂復活の姿を今一度見てみたい


 そして桑田である。野茂と同じく招待選手扱いからのメジャー昇格を目指すが、「18歳のときから競争の世界で生きている。失うものは何もないし、前にいくだけ」と言う言葉には、もはや達観した境地にあるようにさえ思える。スピードボールは望めないものの、経験に裏打ちされた頭脳的な投球術、抜群のフィールディングには、まだまだ一日の長があるだろう。昨年同様に這い上がってほしいものだ。


 松井は野球人生で初めてのレギュラー落ちの最大の危機を迎えている。トーリ監督が去り新監督になってから守備重視の方針になるようであり、手首や膝に怪我の後遺症を持っていると思われている松井は構想外になりかねない。昨年末にもトレード報道がなされたくらいで心穏やかにはいられなかったに違いない。所属チームが次々に変わって活躍する選手も多いが、松井やイチローには「不動」のイメージを期待するようなところがある。やはり松井に求められるのは、ニューヨークのファンを歓喜させるような活躍を見せることしかないだろう。


 同じヤンキースの井川もトレードにこそ出されなかったが、1年ですっかり影の薄い存在となってしまった。松坂や岡島、斎藤などに大きく水を開けられた形だが、まだまだこんなものではないだろう。メジャーと何かが適合していないのか性格的なものか、過去の栄光ではなくて、まだ若いのだから星野阪神時代の実力を取り戻せば、王建民と並ぶだけの力はあると期待しているのだが、いずれにしてもここが正念場だろう。