Ubuntu 8.04 LTS 日本語版リリース

 Ubuntu Linuxの日本語版が8.04にバージョンアップした。まだインストールしてみてはいないが、Windowsユーザが容易にUbuntuを試してみることができるようになっているようである。ますますデスクトップLinuxの主流となりつつあるのだろうか。

Ubuntu 8.04 LTS 日本語版Desktop正式リリース,
パーティション分割なしでWindowsとデュアル・ブート(ITpro)
Ubuntu 8.04 LTS の新機能 (Ubuntu Japanese Local Community Team)

 Windowsしか使っていないPCでは、Linuxを導入する場合、ハードディスクをパーティション分割して、OSのデュアルブート環境にするか、VMwareのような仮想化ソフトを使ってWindows上にゲストOSとして導入するかの方法がある。まれにcoLinuxのようなネイティブのWindowsの中にインストールして起動できるものもある。

 ハードディスクをパーティション分割してインストールするのは、既存の環境を壊す恐れがあるので日常稼動しているマシンに遂行するのは煩わしいし、初心者には敷居が高いものである。何より一方のOSが起動しているときは、他のOSの入っているパーティションは全く活用されないわけで、ハードディスクの容量が格段に増大した現在とはいえ、あまり効率の良い方法とはいえない。結局OSの切り替えが面倒になって、Linux部分はほとんど使われなくなるというケースが多い。
 VMwareでゲストOSとして入れる場合には、Windowsの中から起動できるとはいえ、メモリが2GB以上はないとパフォーマンス面でお話にならないようである。ということは標準的に2GB以上のメモリを搭載しているVistaマシンでなければ現実的ではないようだ。しかしそうならば、古いPCにでも使えるというLinuxの利点が全く生かされないことになる。

 coLinuxのようなWindowsシステムに融合してしまっているものは画期的だが、coLinuxは安定性の面でどうだったか、あまり記憶がない。同じDebian系のはずなので、ひょっとしたら、Ubuntu8.04にもこの技術が生かされているのかもしれない。


 さてUbuntu8.04では、WubiというWindowsへのインストーラが付いており、これは普通のEXEファイルでありダブルクリックするだけで、Ubuntuのインストールができてしまうという。そしてWindowsブートローダーにも入り込んで、起動時にWindowsUbuntuを選択できるようになるという。あたかもパーティション分けされているようだが、内部的にはWindowsのアプリケーションのように入り込んでいるという。だからアンインストールするには、Windowsの「プログラムの追加と削除」からできてしまう。ただUbuntuのフォルダの中はやっぱりext3などのLinuxのフォーマットになっているのだろうか。確認していないので確定的なことは言えないのだが。


 長期間使い続けるつもりならば、やはり通常のインストールを推奨とのことだが、短期間のお試しとか容量に余裕があるWindowsマシンしか手元にない場合、手軽にLinuxを使えるようになるというフットワークの軽さはあるので、可能性が広がったように思われる。あとはパフォーマンスがどれだけ向上しているかである。VistaがXPより遅くなったと言われているだけに、デスクトップLinuxで手軽さとパフォーマンスが売りにできることは大きいと思われる。数日中に時間を見つけて試してみよう。結果は他のブログに報告と。