Windows XP SP3のダウンロード配布開始

 Windows Vista SP1に続き、Windows XP SP3の配布も開始された。Vistaへの移行どころか、XPの延命に繋がる措置だけにMicrosoftには複雑なところだろうが、ユーザにとってもXPとVistaの混在環境は当分続くことになりそうで、混乱は避けられない見通しである。

Windows XP SP3のダウンロード配布がスタート (ITmedia)
マイクロソフト、「XP SP3」の提供を再開--「Vista SP1」の自動配布も (CNET Japan)
XP SP3インストールでIE 7が削除不可能に、MSが注意 (ITmedia)

 個人的に好むと好まざるとに拘わらず、職場周辺では新年度からVistaにリプレースされたところが増えてきている。もちろん相変わらずXPのままのところもある。当然必要上、両方を使いこなさなければならないし、相互のデータの交換もできなければならない。部分的にVistaに置き換わったシステム的な影響、人間的な影響ともにまだ時間が経過しないと、何とも判断できないところである。いずれにしろ、操作に不慣れという点では業務の効率は一時的に落ちていることは確かである。OSやOfficeのバージョンアップに税金のように払って、わざわざ効率が下がるというのもおかしな話である。いつになったら、その損益分岐点は現れてくるのであろうか。


 そしてXP SP3とVista SP1の両方を導入する心配もしなければならない。厳密にはインストールには問題もあることをMicrosoft自身も認めているし、いざ遂行しようとすればその注意事項も含めてアナウンスもしなければならないだろう。
 IE 7がアンインストールできなくなるとか、通常ではやらないことであるし、Firefoxを中心に使うからとかで、あまり大きな影響がないとは思えるが、IE 7が登場した頃、インストールしたらXPそのものがフリーズした経験もあるので、リソースの少ないXPの環境では何かが起こるかもしれないという不安はある。不安が解消できなければ業務で稼動しているマシンには適用できないということになる。それをクリアしてSP 3を導入したとしても、それで何か新しい機能が付け加わるわけでもない。感覚的にはウイルス対策ソフトの定義ファイルを更新するのとたいした変わりはない。


 いずれにしてもXPがそのままでSP3を導入した部署では、以降何年後までになるか、腹をくくってサポートが続くまでXPを使い続けることになるだろう。何かアナログテレビのような立場である。それでOSが古くなって不便になった、ということにはならないだろうと思える。そのうちにWeb2.0からさらにネットが進行し、XPだろうがVistaだろうが別に関係ないという状況になることだろう。その頃はVistaを推進どころか、Windows 7で快適なネット環境をなどということになっているか、あるいはいよいよWindows離れが加速してくることになるのか、なかなか予想できないところではある。