Sunもクラウドコンピューティングへ
かつてワークステーションで一世を風靡したSunもネットの時代に様変わりしていくようだ。GoogleやMicrosoftのように一般の話題にはなりにくいところがあるが、IBMのような顧客サポートが中心のビジネスとなっていくのだろうか。
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今年になってSunの最大の話題はオープンソースデータベース企業であるMySQLを買収したことだった。これによってWebサービスの展開の小回りがききやすくなったといえるかもしれない。サーバーOSはもちろんLinuxではなく、OpenSolarisとなっていくのでろう。ただし、ネットでのプラットフォームといった場合、それはもはやOSのことではない。SunはJavaの本家である。サーバーサイドのJavaを開発する環境こそプラットフォームなのでろう。そして現在では携帯アプリにも普通にJavaアプリが使われるようになった。それらを含めた近未来型のJava開発環境が「JavaFX」なるものであるらしい。
そしてそのJavaFXはクラウドから提供される計画であるという。これによってOpenSolaris→Java→JavaFX→クラウドコンピューティングという流れになってきそうだということである。GoogleとIBM、Amazon、Microsoftといったところは早々とクラウドコンピューティングへと傾きだしているから、Sunも動かざるをえないといった状況であろう。そのときSunには必ずしも収益には繋がってはいないSolarisやJavaといった過去の資産がある。これが急速に広がってきそうなクラウドコンピューティングの中にいかに取り込ませることができるかである。
Web時代の申し子だったようなMySQLは、おそらくうまくいくだろう。SolarisやJavaに関しては、Web時代に必須のものとは言えなくなっている。LinuxとLL(Light Weight Language)でも済んでしまうからである。SolarisとJavaの組み合わせにとっての試金石が今回のJavaFXと言えるようである。同時にアメリカ経済の低迷とMySQLの買収の影響のためとはいえ、赤字企業に転落したSunの生き残りをかけた戦略とも言えそうである。