Firefox 3の今後はどうなる

 Firefox3がMozillaの狙い通り、ダウンロード初日から大いに話題をさらっているようである。同時に、早くも他のブラウザを含めた今後のシェア争いや覇権争いの議論もなされてきている。

「Firefox 3」の市場シェアが早くも6%台に (CNET Japan)
「Firefox 3」をウェブ制作者の視点で見る
Firefox 3登場、ブラウザ覇権の行方は?
Firefox 3.1 (Shiretoko) の搭載機能ドラフト(Mozilla Links)

 どのブラウザも、機能的には拮抗してくるだろう。それはブラウザというソフトウェアの冗長機能なのではなく、Web標準に要求されてくる機能でもある。すでにHTML5やCSS3への対応なども言われだしている。夏には出るであろうIE8にしても、大いにFirrefox3を意識したり、真似をしたものになることも予想される。SafariにしてもiPhoneなどとの連携を意識した機能も付け加わってくるだろう。


 だが本来、オープンソースであるFirefoxと、商用ベースのOSを前提に載っているIESafariとは、ユーザとしてはやや異なった対応をするべきかもしれない。Windowsがなければ動かせない、事実上の有償ソフトであるIEなどとは同じ視点で比較しても仕方がない気はする。

 オープンソースソフトウェアという性格上、一般ユーザはWindowsにバンドルされているInternet Explorerしか使えないだろうと上から目線で見ているばかりではなく、組織においてはFirefoxのメリットを説き、導入してもらえるように働きかけるのが筋というものだろう。自分が関わっているところでも、未だにブラウザはIE6だけしかインストールされておらず、CSSなど微妙な部分で不便なことが多い。ちなみに昔はNetscapeだけがインストールされていた。


 しかし実際システム管理上、フリーソフトであれ、新たにソフトウェアを導入、インストールするには、それなりの稟議を経なければならない。そのとき自分の趣味だけでFirefoxが必要だというのではでなく、Firefox導入によって業務上こういうメリットが生じるなどの説明、提案ができることが必要である。オープンソースのソフトウェアを利用させてもらっている以上、わかるユーザはそうした貢献をすることが必要であると考える。

 実際、たとえOSにLinuxが導入されていたとしても、ブラウザだけでWebサービスを使うだけなら(日本語入力の問題は残るが)同じように使えるというように、OSを違いを吸収できるメリットがある。シンクライアント的利用ではなおさらである。Webページの開発の環境としての導入であれば、もはや必然である。


 ところで、すでにFirefox 3.1が年末のリリースに向けて動き出している。Firefox3のバグ修正が主になるだろうが、ますます安定してくることが期待される。コードネームはShiretoko(知床)だそうである。世界の国立公園の名前をコードネームに利用しているようで、日本にもその順番が回ってきたようである。これも日本でのFirefoxのシェア拡大のアピールに繋げられるかもしれない。