ランキングに見るネットの寡占動向
ちょっとしたランキングのデータからも、ネットの動向のさまざまな面が見えてくる。ネットに関するランキングは数あるが、その中の大きな部分の国内外の動向を見てみる。
グーグルのユーザー数、わずかに増加--6月米調査(CNET Japan)
YouTubeがmixi抜いた--ヤフー「2008上半期検索ワードランキング」
まずはGoogleだが、登録ユーザ数でわずかに増加し、一方でライバルのMicrosoft、Yahoo!がやや減少しているという。これからGoogleがライバルから、さらにシェアを奪っていることを伺わせる。
オープンな検索サービスのアクセスランキングはGoogleがダントツのトップだが、ユーザ登録が必要なサービスとなると、各サイトの特徴が現れる。人気あるネットサービスがどれだけユーザを獲得できるかである。メールなどは好みの問題でもあるが、他のサービスとの連動などと関連してくるので依存関係はやや複雑である。たとえばGmailを登録することによって、同じユーザアカントでGoogleドキュメントやカレンダーその他が使えるようになる。Yahoo!のMy Yahoo!も同様である。特にGoogleは新しいサービスが次々に登場し、アップグレードもしばしばであり、よく知らないサービスも多くある。永久にベータ版と言われる所以でもある。
これまではGoogleは検索後には、いち早くGoogle検索サイトから目的サイトへ立ち去ってもらうことがポリシーだったが、ユーザ登録をするサービスではGoogleそのもののサービスを利用する時間が長くなってくる。こうした傾向から、従来から自サイトがサービスを供給するYahoo!やMicrosoftにも、利用時間で迫ってきているという。Googleで何でも済ましてしまえるというユーザが増加してきたことを示す数字であろう。自分自身の利用パターンもそれに近い。Yahoo!にアクセスするのは何か特別な必要がある場合だけであり、MicrosftはWindowsとOfficeと関連するソフトウェアの情報を得るとき以外は、あまり必要を感じなくなっている。
さて国内では、Yahoo!の検索キーワードランキングでは、「YouTube」が「mixi」を抜いたという。話題性からして文字情報中心のmixi、2ちゃんねるよりは、動画の方がはるかに伸びているということだろう。同時にニコニコ動画が昨年の9位から5位に上昇していることからもそれが窺える。
YouTubeもGoogleの一部ではあるが、アカウントは異なるので別サービスといえる。Googleは利用時間が短いが、YouTubeは動画の再生時間が圧倒的だろう。したがってGoogle+YouTubeならば利用頻度、利用時間で、ますます他サイトを圧倒していることになる。MicrosoftがYahoo!にちょっかいを出してゴタゴタやっていることも、ユーザの印象面ではマイナスで、かえってGoogleに利することにしかならないと思える。まだ当面は、Googleのネット寡占がどこまで続くかが関心事となりそうである。