Google Docs にテンプレート追加

 オンラインOfficeとして有力な地位を築きつつあるGoogle Docs(Googleドキュメント)であるが、ここにオンラインならでは新しい可能性が加わってきそうである。それは文書のテンプレートの提供機能についてである。

グーグル、Google Docsで豊富なテンプレートを利用可能に(CNET Japan)

 これまでMicrosoft Officeでもイントール時から提供されるテンプレートや、オンラインで探すテンプレートがあることはあった。しかしどうもMicrosoft自身から提供されるテンプレートは、どれもあまり役に立ったためしがない。クリップアートなどと同様である。せいぜい記憶にあるのは、短時間で必要に迫られた、それらしく見せるFAX文書のテンプレートくらいなものだ。それとて現在は、FAXそのものを自分自身はほとんど送ることもなくなってしまったので、テンプレートを使うことすらない。オンラインで提供されるものはいろいろ豊富な内容もあるのかもしれないが、探しても時間の無駄という先入観が先に立って利用することがない。


 ビジネス文書は定型文書だけに、定期的に使用するものは自分自身のテンプレートを引き出しやすいところに持っておくのが、結局は業務効率も高くすることになる。たとえ本来の業務が非定型のスタイルのものの人でも、必ず何らかの事務的文書は作らなければならないから、これらの文書を作成する時間をなるべく短縮することは、仕事全体の効率を高めることにもなる。自分がそうだが「あの文書はどこに行ったっけ?」で、テンプレートにしたい過去の文書を探す時間からして無駄にしている場合も多い。


 さてオンラインOfficeのネットならではの機能としては、文書共有機能があった。複数のユーザで同一の文書を共有しながら共同作業で作成、編集ができるというものである。考えてみればテンプレートなどというものも、誰かが作成した文書の雛形を利用して自分の必要な文書を作成するのだから、文書共有の1つの形であろう。
 そしてこれをどこかのサイトが一方的に提供するだけでなく、ユーザ投稿型にするというわけである。ユーザが有用だと思う公開用テンプレートのテンプレートを投稿して、またそれらの利用頻度に応じてランキングを付けていくという。写真やビデオの投稿と同様の発想である。


 どこにもありそうな定型文書などは、どこにもありそうなだけに1から作成するのが煩わしいものである。また規格から外れていないかと気も使う。誰しも使うテンプレートならばその点は安心である。また1つのテンプレートからの改良版もいろいろと提供もされるだろう。


 まだ具体的にテンプレートのユーザ投稿が可能になったわけではないが、Google Docsの一般ユーザや企業ユーザが増えてくれば、これは役に立つ仕組になりそうである。いわばテンプレートのオープンソースといえる。これまではプログラムや装飾コンテンツの公開はあったが、テンプレートをユーザが作り上げて洗練していくという発想はなかったと思う。Micorsoft Officeのように、やたらソフトウェアのインターフェースや装飾ばかりをコロコロと変えてユーザを混乱させることより、こういうアイデアの方がよほど有用なものになりそうである。