夜でも太陽エネルギーで発電

 太陽電池といえば、太陽が出ている時だけ有効で、夜とか曇りや雨の日は電力供給に難があるという先入観にとらわれがちだが、夜でも発電が可能という発明をMITの研究者が公表している。これはどういうことだろうか。

夜でも太陽エネルギーで発電、MITが新手法発見 (ITmedia)
「窓で太陽光発電」する技術、MITが発明 (ITmedia 7/12)

 太陽光発電に限らないが、電気エネルギーの最大の問題はいったん発生させたエネルギーの貯蔵である。発電所などで発生した電気は貯蔵できないので、送電線でロスがあろうがなんだろうが供給先で電気を使い切ってしまわなければならない。我々がバッテリーなどを充電しながら使えるエネルギーはごく限られたものである。自分のところのPCやネットくらいは太陽光の自家発電で安定的に賄えないものかといつも思う。
 ソーラーのような自家発電システムも同様で、その日に発生した電気はその日にしか使えない。なので効率的な発電システムが発明されたとしても、重要なものはその貯蔵システムである。


 このMITの発明は、どうやら太陽光発電燃料電池を組み合わせたシステムであることが画期的なことのようである。もう少し進めれば「人工光合成」のシステムに近づけられるという。人工光合成は、原理的にも人類にとって昔から夢のシステムである。可能性は言われながらもあまり現実的な話は聞かれなかった。常温の超伝導システムのようなものかもしれない。


 しかしエントロピー的な問題はよくわからないが、現在のCO2削減ブームというべきか、人類の将来にわたって化石燃料に頼らない発電システムの発明は急務になってきていると思われる。そして技術的に可能だとしても、それが世界規模で導入できるだけのシステムが実現できるかは、また別問題である。


 それにしてもアメリカMではITで窓パネルでの太陽光発電だとか、コロンビア大学CO2を吸収させるシステムだとか、いろいろな技術シーズの研究が盛んなものだ。日本発でも世界規模での人類を救う可能性のあるシステムの提案とか出てこないものだろうか。