MS環境とSilverlight2

 高画質の動画がブラウザで見られるMicrosoftの新版Silverlite2が登場する。ネット上の高画質動画は将来的な可能性を感じさせるが、Microsoftとネットとの関係にはどのような影響があるのだろうか。もともとFlashビデオに対抗するような位置づけだったと思うが、どうやら違う方向に行くような気がする。

「ネットでMS環境に固執する意味薄い」―「Silverlight2」正式版、来週公開(ITmedia)

 Silverlight2はプラグインなので、Internet Explorerだけでなく、FirefoxSafariにも対応するという。つまりMicrosoft環境には依存しないということである。以前の動画サイトでもInternet Explorerでしか見られない、Windows Media Playerにだけ対応というところもあった。


 そのうちYouTubeがあっというまに普及し、動画も勝負ありに思われた。しかしYouTubeがきっかけで普及したといえるFlashビデオはいかんせん画質が悪い。保存してまで見たいと思うのはWindows MediaやAVIの方である。そこに高画質のSilverlightの登場である。
 といってYouTubeは画質そのものよりも、ユーザが気楽に投稿できるところに価値があるのであって、画質云々はあまり問題ではない。MicrosoftYouTubeを上回る動画投稿サイトを作るとも思えない。
 とすればSilverlightの目的は、高画質を必要としているサイトへのサービスの提供Windows MediaなどのWindows環境の中の動画機能の向上であると考えられる。実際、YahooやBIGLOBEなどの動画、広告などに採用されていっているようである。であるから、およそ一般ユーザの動画投稿サービスからはかけ離れており、競合の対象ではないだろう。一方のWindowsの中の機能としては、Windows Mediaが変更されてきそうである。


 Silverlight2がMS環境に固執はしないというが、動画に限らずにMS環境に固執する意味は薄いだろう。サーバー環境であればWindowsサーバーなどない方がトラブルも少ない。それよりは互換のオープンソースソフトとの関連の方が大きいだろう。互換のMoonlightが使えるものになるならば、Silverlight2そのものが不要になるということにもなりかねない。Microsoft OfficeOpenOffice.orgのような関係である。


 高画質の動画は必ず求められるようになるだろう。そのWeb上の動画がSilverlight2が主流になっていくのか、やはりオープンソースになっていくかは、今後の推移を見守るしかなさそうである。