Web2.0の次に来るもの

 すでにTim O'Reillyに2004年にWeb2.0なる概念が提唱されてから4年の月日が経ち、解釈はさまざまではあるものの、Web2.0という方向性はもはや定着しているものだといえる。4年という期間はIT分野では決して浅いものではない。
 そこに最近の米国に発する金融危機の影響である。IT関連企業、Web2.0で謳うところの消費者主導型の消費者自身も不景気の影響を受けることは必須の情勢である。そしてこのような時期だからこそ、新たな技術革新が起こりうる可能性があるという。それがWeb2.0の次に来るものとなりうるのだろうか。

Web 2.0の次に来るもの--経済危機を技術革新のチャンスに (CNET Japan)
An S.O.S. To Silicon Valley (Forbes.com)

各種の分野で金融引き締めのために、大きな投資を導くようなビジネスは当面影を潜めるだろう。またこれまで大きく成功したIT企業も業績が下がることは確実だろう。目先の利益追求や投資ではなく、長期的に見た小さな技術革新が必要になるのかもしれない。


 記事ではそれが教育、医療、社会保障の分野で起こるのではないかという。医療分野ではiPhoneに始まるスマートフォンが医療の支出軽減に、患者、病院、保険会社とのシームレスなネットワークを築くこと、教育分野では世界的に共通化したコンテンツと教育方法のベースをインターネット上に築くことなどを提言している。それを新興企業が取り組むことであるという。そしてこれらのベースはやはりクラウドコンピューティングに合うかもしれない。


 日本なら、すぐ厚生労働省文部科学省がお題目だけで実体のともなわない提言などとなりそうだが、世界ではこうしたことを考え実践する新興企業が出てきそうだ。社会福祉では高齢者からも医療費を取ることだけ考えたり、教育分野では子供の携帯所持禁止やゆとり教育廃止のようなことばかり考える日本からは、またしても新しい発想は生まれないのだろうか。