Second Lifeの現在

 すっかり存在すら忘れていたSecond Lifeだが、一時の熱狂的なブームは冷めたものの、着実に利用する企業は増えているのだという。米国と日本の差もあるのだろうが、将来的にSecond Lifeはどういう方向に向かうのだろうか。

Second Lifeの現在--新CEOが語る「熱狂の後」(CNET Japan)

 ブームが去ったのは、Web2.0の主役になるかと思った一般ユーザが、実際にSecond Lifeに入ってみても、何をしていいのかわからないまま終わってしまったということかもしれない。自分自身がそうだった。ただ可能性を感じなかったわけではない。何か大きなテーマで多くの人が集中すればそれなりの盛り上がりを見せたのではないかと思う。それにYouTubeのような動画が急速に伸びてきた時期だけに、わざわざアニメーションで構成する必要があるのかという意識もあったと思う。日本人の一般ユーザ的には、アバタというかキャラクタに感情移入しにくい点も大きいだろう。そうしたことからインターネット初期にも似て、一般ユーザとしては当てもなく歩き回るだけで、あまりすることがなかったというのが実際だったのだろう。


 ただ組織や企業としてみれば、やや発想が異なるだろう。まずSecond Lifeにショーウィンドウや店舗を持つことがステータスになっているようである。一般ユーザの見学者がそれほど多くなくても、リアルで取引のある顧客をSecond Lifeに説明のために導ければそれでよいのではないかと思える。もちろん仮想空間の中でのビジネスに進むこともできる。つまりSecond LifeはBtoCのものではなく、BtoBのものだというのが現状のようである。


 そして今後に期待できるのは教育分野でもあるようだ。文字や画像、動画を一方的に流すだけでなく、インタラクティブにアニメーションを使った「生きた」教育方法も可能になるかもしれない。規模的に見て、Second Lifeこそクラウドサービスに乗るようなものに思える。いずれにしても、もう少し長い目で見ていかなければならないようである。