Googleストリートビューの波紋広がる

 見え過ぎて困るGoogleストリートビューがさらに波紋を広げているという。騒げば騒ぐほど広がりそうである。なにぶん自分の家を周囲のことでもあるだけに、ある意味「誰でも参加できる問題」であるからだ。

Googleストリートビューに波紋広がる(ITmedia)
カーナビ前にGoogleマップ iPhoneでも利用可能に(ITmedia)

 航空写真で上空からの写真からの光景の認識度でもかなりのものだったが、上からだけでなく横からの我々の目線からの周囲の光景も、簡単な検索でネットでいつのまにか世界に公開されてしまっているという衝撃の事実もなかなかのものである。極端な話、現地に行かなくても現地を知っているような気分にさえなってしまう。ネットの力もここまで来たかという気にもなる。


 同時に世間に衝撃を与えるだけに、それは社会問題と常に背中合わせだということになる。日本のストリートビューは8月からだというからまだ2,3月だが、ネット情報らしく早くも各所で問題になりつつある。Googleといえば著作権問題が大きいが、これは著作権者とだけの問題だったが、ストリートビューのプライバシー問題は、消費者すべてと関係することになる。早くも総務省が関心を示してきたということから、何らかの規制の動きになってくることになりそうである。インターネットを利用した犯罪が増えてきたから、インターネットそのものを規制すべきだという議論さえあった、いかにも日本的な対応ではある。


 今のままでストリートビューがそのまま世間にも受け入れられるとも思わないが、たとえば個人情報の保護に関してもネットが普及してきてから初めて意識されてきたようなものである。それ以前は勝手に人の名簿を公開して平気でいられるような感覚の時代だった。電話帳も似たものであった。古い長閑な時代だったともいえるが、その意識を変えさせられたのもネットのおかげとも言えるだろう。今ではたとえ紙の資料だろうと、個人情報の扱いには注意する意識になっている。


 新しい技術が世の中に出てくるとき、社会的問題はつきものである。ヒステリックに反対するだけでは物事の解決にはならない。何が社会にとって有益なことになるのか、その意識も変わっていかなければならないだろう。もはやGoogleはただの一営利企業というだけの存在だけではなくなっている。