ブログ上陸5周年

 ブログが知られるようになって5周年だという。なんだかもっと年数がたっているような気がしていたが、まだたったの5年のようである。自分は「はてな」に定着して2周年、それまでは書きたいことはあっても、どうもしっくりくるブログがなくて、自分はブログには合わないかなとも思っていたが、今は携帯電話を開けるとの一緒で、完全に日常になった。ただ、どうもブロガーという言葉は好きにはなれない。

ブログ上陸5周年―企業とブロガーの微妙な関係(ITmedia)

匿名で文章を書いて、何かの拍子にそれが話題になると、それはブロガーの意見ということになるらしい。身分や実名を公表して文章を書くとたとえ内容は同じでもそれは別の意味を持つことになるだろう。その人の年齢とか身分、職業などの属性がクローズアップされて、その属性を持つ人の意見ということになる。もっともあえて属性を強調した文章を書きたがる人もいるからそれはそれでよい。ただネットのご意見番みたいな人のことをブロガーという名のひとくくりにすることに、やや抵抗があるのである。


 さてブログはSix ApartPerl CGIで書かれたMovable Typeが元祖だった。当時はブログの文章を書くことよりも、このソフトウェアをWebサーバーにインストールして動かすことに熱心だったように思う。なぜならブログというものが、インターネットの新しい流れを起こしそうだと当時から言われていたからである。通常のWebページと何が違うのかなどが話題だったと思う。かのホリエモンなども「ブログはインターネットの2ndステージ」みたいなことを言っていた。


 自分としてはそのブームを起こしつつあるブログがPerl CGIで書かれていたことに関心があった。なぜならすでに当時CGIはセキュリティ的に危険だからプロバイダなどはオプションでなければ使わせないということが普通になっていて、CGIは廃れていくだろうと思われていたからである。それがMovable Typeによって復活させられたように思えたからである。


 現在となってみれば、ブログは数あるWebサービスの定番メニューみたいになっていて、特に欲しくなくてもブログも使えるようになってしまっている。そんなに沢山文章ばかり書けませんってば、と言いたくなるほどお腹いっぱいである。その後SNSWikiや写真や動画サイトやらが続々と出現してきてWeb2.0だの目移りもするのだが、やはり自分の文章を書くということは、デジタルの時代でも根強いものだという印象である。そして容易に公開できてしまうので、それは立派な自分の意見の公表ということになる。


 ネットなどという手段がない時代には多くの無名の人の表に出ない意見は「声無き声」と言われた。いかにも閉ざされた時代を思わせるような言葉である。ただ匿名、無名であるからこそ、正しい意見は多くの人を賛同させるような説得力を持っていなければならない。それはその人の思想、信条、文章力、論理性が物を言うことになる。匿名で書くということは、それにチャレンジすることにもなるのだし、またそういうチャンスがネットには自ずとしてあるということだろう。


 日本人は世界の中で一番ブログを書く民族らしいのだが、残念ながら日本語のブログばかりなので世界の人は読むことができない。また日本人は自分もそうだが英語が苦手な人が多い。けれどもせっかく良い考えを披露したがる人が多いのに、これは残念なことである。そこでブログは使いかたによっては、日常から文章を書くトレーニングに使えると思うので、同じように英語の文章を書く(英作文)ことのトレーニングにも使ったらどうだろうか。初めのうちはブロークンというか、英単語を並べただけのようなものでもよいから、書き続けることが重要である。なに、有名人で日本語だって幼稚なのに人気ブログになっているようなものもある。どうせ日本人が英語が苦手なことはよく知られたことであるから、それでどうこう思う人もいるまい。継続すれば英語力もアップすることになるなるだろう。などと言っているのは、何を隠そう、自分自身そうしてみたいと思っているからである。もっともそれは全然別のブログでということになるだろうが。


 ブログ5周年の話題から外れたが、ネット時代になってもやはり文章を書くことは大事だということを再認識させたのもブログであったという気がしている。