Gmail文面をGoogle Docsに読み込みの新機能

 たびたびGmailに少しずつ新機能が追加されていくので、自分のようなGmailユーザによっては、注意していないといつのまにかGmailが進化していたということにな。つい先日はGmailテーマがえらくカラフルになって、今は「忍者のマンガ」のようなテーマに設定していて、以前とはGmailの雰囲気だけはガラリと変わってしまった。
 さて今度は、メール文面が一発でGoogle Docsの文章になるというのだが、どういうことだろうか。

Gmailに新機能--クリック1つでメール文面が「Google Docs」に(CNET Japan)

 Gmailは使われていても、Google Docsは実際にどれだけ使われているのだろうか。メールを開いている画面の右側に「ドキュメントの作成」という項目のリンクが現れている。それをクリックすると、メールの文面がすぐにGoogle Docsの編集画面に表示されて編集可能になる。GmailからGoogle Docsへと見かけ上はスムースに移行したことになる。


 メールで書いておいた文章を、すぐに本格的な書類なり論文なりの編集に移行できますよという趣旨なのだろう。しかしそれは、いつもメールで大事な書類の下書きをするか、また書類の作成にGoogle Docsを使っているかということが問題になる。書類の下書きをするには、お気に入りのテキストエディタだったり、あるいはブログで書き溜めておいたものを使うということもあるかもしれない。しかし、文章を書くスタイルは人それぞれとはいうものの、メールで書き溜めておくということはそれほどあることだろうか。いきなりワープロを使って文章を作る人も含めて、Google Docsで正規の文書を作るという人はまだまだ少ないだろう。やはりWordか、あるいはOpenOfficeを使っているかもしれない。そういう人たちでGmailを使っている人に対してのGoogle Docsの宣伝の意味もあるのだろうか。


 メールとワープロの関係も微妙なところである。かつてMicrosoftOutlookでメールの文面を編集するのにWord機能を組み込んだこともある。その後はHTMLメールが出てきた。しかしマクロウイルスやらの問題で、やはりメールはシンプルなテキストが安全ということになった。そして今回のはメールそのものの編集ではなくて、メールのテキストを取り込んで、新たな書類を作成するということである。メールの文面は書類のための下書きに過ぎない。あくまでもGmailは文書作成のプラットフォームになるということだろうか。だんだん、Gmailの本来のメールという機能から、まずログインしたらその後のすべての作業のプラットフォームになるという位置づけなのだろう。次第にかつてのグループウェア、そしてビジネス向きSNSへと変貌してくる兆候であるように思える。