Yahoo!Japanがテレビ局と連携

 テレビをネットで見られる動きがいろいろと出てきている。NHKも見逃しテレビのネットで有料サービスを始めたが、TBSは一部の番組を無料で自サイトとともにYahoo!Japanにも提供するという。ネットでのテレビ番組の放映は今後どうなっていくか。

広告収入視野 ヤフー、TV局と連携(CNET Japan)(Business i.)

 これまではネットで見られるテレビ番組でも有料だったが、今回初めてテレビ放送終了の48時間後からの無料配信の試みがなされるという。Yahoo!からすれば、テレビ番組のコンテンツの導入によりサイトへの集客力を増し、それによって広告や課金コンテンツによる収入増加させる狙いがあるようである。
 TBS側からすれば、Yahoo!ユーザへの番組提供によるTBS番組視聴の働きかけ、YouTubeなどのへの番組の違法アップロードを避けられる効果が期待しているようではある。


 ネットに対して民放テレビ局が番組提供をして、互いにWin-Winの関係になれればよいが、話はそう単純ではないように思われる。すでにテレビ業界側からはネットへの番組の無料サービスで、番組制作費の元が取れるのか懸念する声もあり、今回は試行段階といえそうである。


 何しテレビ局も番組視聴率もさることながら、スポンサーが付かなくなってきて不況に陥っている現状である。Yahoo!も、Yahoo! Japanは頑張っているとはいえ、昨年からの業績の落ち込みは大きい。下降線同士の企業が連携し合っても、上昇機運に乗せられるかどうかである。それにしても、記事ではわざわざYahoo!の株価下落のグラフを表示しながら解説する必要もないとは思うが。


 今後はテレビも有料であれ無料であれ、番組単位での提供が普通になってくるだろう。音楽がCDのパッケージから曲単位のネット配信へと移行しつつあることと同様である。たとえば有料サービスのやり方を見ても、今は60分番組315円単位くらいだが、番組の種類が増えて、もっと安ければ買う人も増えて、スケールメリットを出せるようになるかもしれない。


 テレビ番組をネットで見るという視聴方法が進んでくると、日頃本当に必要な番組しか見ない人にとっては、NHK受信料などは払わずにネットで必要な番組だけ買う方が効率的だということになるかもしれない。それどころか、2011年の地デジ移行を機に、自宅のテレビ受像機などは、捨て去ってしまっても十分ということにもなりかねない。