AmazonクラウドにHDD発送

 そうか、その手のあったかと冗談に思ってしまった。Amazonクラウドに大量のデータをアップロードする方法である。クラウドは使えるリソースが大きい。必然的に処理するデータも大量になる。少なくとも最初にこうしたデータをクラウドに転送するのは大変であろう。今や個人のデータでさえ、TBのオーダーが普通になっているからである。

アマゾンのクラウドサービス、顧客の大容量データをHDDで荷受け(CNET Japan)

 1TBのデータを1.5Mbpsの回線を通じてアップロードするには80日以上もかかるという話には失笑してしまう。そこでAmazonではこうした大容量のデータをHDDを物理的に発送してもらい、Amazonの方でローカルにAmazon S3にアップロードするものだという。「ネットを通じて」という先入観ばかりあったところに、HDDを直接送るとは、何かむしろ斬新ささえ感じてしまう。それだけHDDが安価で大容量になっているという背景がある。TBクラスのHDDを送付してデータをアップロードしてもらった後には、HDDを廃棄してもらっても一向に構わないだけの使い捨てもきくような現状だろう。


 実際にはAmazonはアップロードの終わったHDDはユーザに返送してくれるそうだが、一連のやりとりで気になるのは、やはりデータ内容の機密保持の問題であろう。暗号化したデータというのも1つの考え方だが、いろいろと手間ひまもかかりそうだ。暗号化されていないデータも想定して、Amazon側ではこの作業に関わる人間の身辺調査まで行うという。なにかクラウドといっても、きわめて人間的な要因がその運用に関わってくるようである。