ケーブル不要の充電技術の可能性
携帯やノートPCを持ち歩くときに、いつも気になるのはバッテリーの残り時間である。昔に比べればずいぶんと時間が長くはなったものの、うっかりすると電池切れの状態になる。とはいえ、いつも電源ケーブルを持ち歩くと、今度はケーブルの所在が気になってしまう。PCはLANケーブルは無くても、無線で接続することができるからまだよいが、電源は常に充電しておかなければならないのがモバイルの足かせにもなっている。そして出先では、他人様のところで電気を盗むようなコンセントに電源コードを挿し込むことも、ややはばかられる。
そこに、ケーブルなしでも携帯やPC、デジタルカメラなどに充電できる技術が可能になりそうだ。
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詳しい仕組みはやや難しいそうだからともかく、子供の頃に実験したことがあるようなコイルの磁気と電流の関係を使うものらしい。「磁気共鳴」だそうで、簡単には磁界と電界が互いにリング状に囲みあって連なるものである。つまり電源に繋がなくても、磁界の中に充電したい機器を曝しておけば、自動的に充電されるというものであるらしい。磁界が発生しているボードの上に、携帯やノートPCなどを置いておくだけでよい。レンジの中に入れておけばチンされるようなものだろうか。
それはともかく、サーバーのような据え置き型機器は別としても、モバイル機器全体から電源ケーブルをなくすることが可能になる時代になるかもしれない。ノートPCなどでは特に本体がいくら薄型だ、軽量だといっても、電源ケーブルの大きさと重さを見た途端に興ざめのようになることもあった。エコを考えれば、PCが太陽光で自家発電してくれないかと思うほどである。
しかし磁気で充電できるシステムが実用化すると、今度はその磁気の周囲への影響も問題になりそうとのことである。一定以上の電力を供給するにはそれなりの強度の磁界も必要となる。その磁界に人体も曝されたときの影響がよくわからないという。そういえばCRTモニターが発する電磁波が人体に与える影響ということが言われた時代もあった。液晶の時代になってその心配はなくなったが、今度は充電システムの磁気の影響ということが問題になるかもしれない。バッテリーの効率も含め、昔に戻ることはないのだから、エコの時代にもマッチした、ケーブルや充電時間に拘束されない柔軟なシステムが実用化していってほしい。
Intel CTO: No more power cords (2008.8.23)