ChromeのシェアがSafariを抜いて3位に

 ブラウザのGoogle ChromeのシェアがSafariを抜いて3位に浮上したようだ。それでもやっと4.63%のシェアだが、昨年末にLinux版とMac版をリリースしたことがそのまま数字として表れたようだ。

Chromeブラウザのシェア、Safariを追い抜く(ITmedia)
ChromeブラウザのMac版とLinux版がβリリース(2009.12.9)

 Chromeは当初、ユーザの最も多いWindows版からリリースされたが、IEというよりFirefoxと競合するのではないかと思われてきた。Windowsをデフォルトに近いままで利用する初級ユーザは、あらかじめインストールされているIEをデフォルトで利用し、自分でカスタマイズして使いたい中上級ユーザは好きなブラウザをダウンロードしてインストールして使う。Firefoxプラグインが豊富にあるため、このようなユーザには好評であった。SafariMacユーザでWindowsも使うようなユーザには、見た目のエレガントさなどそれなりに支持されているだろう。


 そこにChromeが割り込んできたわけだが、他のブラウザに比べて「スピードとシンプルさ」を強調した、ある意味では対極の性質を持つブラウザだといえよう。ブラウザは機能が増す度に処理が重くなるものと思っていたものが、まだこれほど速くなるものだと、あらためて思わされた。そしてこのスピード化は他のブラウザにも影響を与えている。かつてはPCのOSの戦国時代とされた時代もあったが、現在はブラウザの戦国時代と見えることもできる。ただChromeに関しては、単にそのシェアの数字だけでは議論できない面がある。それは2010年にはブラウザOSとしてのChrome OSがリリースされるので、それとブラウザ単体のChromeとの関係がどうなるかということである。その意味では特に、Linux版のChromeがやっとリリースされたことには意味がありそうである。


 つまり、Linux(特にUbuntu)+ChromeChrome OS と融合した進化が予想されるからである。Chromeのシンプルさは、デスクトップアプリからクラウドWebサービスへの移行を見据えたものと見ることもできる。特にLinux版のChromeのシェアが伸びるということは、ネットブックLinuxで利用しているユーザをChrome OS環境に導くことになる可能性が高い。もっと先では、AndroidChrome OSと融合して、スマートフォンネットブックなどのPCの環境が統合されて、iPhoneBlackBerryなど先行するスマートフォンの強力なライバルにもなっていくだろう。