Yahoo!Japanの占いサイトも「ガンブラー」被害

 「Yahoo!よ、お前もか」と言われそうな気もするが、年末頃から「Gumblar」ウイルス感染被害の報告が急増している。年末のJR東日本、年始のハウス食品などに続き、今度はYahoo!Japanの占いサイトが、なんと2ヶ月余り感染していたことに気づかずにいたらしい。有名サイトでさえもこれだから、感染は潜在的にかなり広がっているのが実態だろう。騒がれているので、自サイトもチェックしてみたら、実は感染していたことに気がついたというところだろう。

ガンブラー:ヤフー運営の占いサイト被害 ウイルスを除去(毎日jp)
ヤフー、占いの一部「ガンブラー」被害と発表(asahi.com)
猛威をふるうガンブラーの徹底対策術(YOMIURI ONLINE)
「Yahoo!占い」内サイトが改ざん!Gumblar亜種感染..(RBB TODAY)
「鏡リュウジの星に願いを」を閲覧になったお客様へ..(Yahoo!占い)

 「通称Genoウイルス」も亜種がいろいろ進化してきているようで、ここにきて名称も「ガンブラー」に定着してきているようだ。世間的には「ガン」の響きが、いかにも悪質さを強調するイメージがあるからかもしれない。


 それにしても有名サイトは、従来はDoS攻撃などのアタックやクロスサイトクリプティングなどを避けるなどの対策などの「防衛」のイメージだったものが、一度感染してしまうと間接的ながらウイルスをばら撒いてしまうハブの役割をしてしまっているところが大きな違いのようだ。Webページの改ざんといっても、かつては政治的な主張だったり、技術力を誇示するためのデモンストレーション的な意味で行われた。だから改ざんが行われたことが閲覧する誰もが一見して明らかである必要があった。ところがガンブラーは表面的には閲覧者には気づかれないように感染させるサイトへ誘導するのが目的である。管理者でさえも常にチェックしていなければ気がつかないことを露呈したようである。したがって、ユーザに注意してくださいは後の祭りのことで、Webの管理者に注意してくださいというのが本当のところだろう(YOMIURI ONLINEの記事によれば、Web制作会社のPCが感染して、請け負っている大手サイトのFTPのID・パスワードが盗まれていたのではないかとのことである。少なくても外部からのWebページ更新に、いまだにFTPが使われていたとしたら、そちらの方も驚きである)。


 現在のウイルスの流行は「新型インフルエンザ」と「ガンブラー」がすっかりトレンドになってしまったようである。いずれもまだ終息の見通しが立たないところが、困ったものである。