2009年に検知された新種マルウェアは2500万種

 2009年に検知された新種マルウェアは2500万種にものぼり、なんと過去20年間に検知された合計1500万種をたった1年で大幅に上回ったという。ネットの進歩も速ければマルウェアの進歩?も速まるということだろうか。

2009年に検知した新種マルウェアが2500万種、過去20年分を上回る(INTERNET Watch)
「Gumblar」改ざんサイト、2009年10〜12月で1427件確認
「Gumblar(ガンブラー)ウイルス」による企業ウェブサイトの改ざん被害が拡大(SecureBrain)

 特に2009年はガンブラーの出現が大きいのだろう。昨春騒がれてから、その亜種が続々と登場しているようで、それが大手サイトの感染などの形になって現れたようである。ガンブラーは亜種を作りやすいのか、ウイルス対策ソフトのパターンファイル更新のやり方では対応が間に合わなくなってきているようである。セキュリティ対策としても水際のウイルスチェックではなくて、もっと根本的な対策が必要になってきているのかもしれない。


 かつてはWebのページを見ただけや、メールの画面を見ただけでウイルスに感染をすることはありません、などとセキュリティに関して説明されていたのも今は昔で、少なくても普通のユーザがなんとなくWebページを見ていても、どこに落とし穴があるかは判断がつかない。逆に疑心暗鬼になってうかつにリンクをクリックできなくなってきている。安心だったはずの有名サイトすら感染を広げてしまっているようではなおさらである。怪しいサイトとかセキュリティ対策ができていなさそうなサイトと、まともなサイトとの境界線もゆらぎそうになっている。また感染したという公表があっても、そのマルウェアがどういう意図をもったものだったかも、あまり明らかではない。ガンブラーにしても感染した大手サイトそのものを攻撃するためではなく、単にユーザが集まりやすいので感染を広げるために利用されただけだろう。多くのユーザを感染させた後には、どこかへのDDoS攻撃のための要員としてユーザのPCが利用されることになるのだろうか。


 しかしマルウェアを作ろうとする人は、どういう思想を持つ人なのだろうか。せっかくの技術力はあってもが何かが欠けている。ネット上のアルカイダみたいなものか。アルカイダといっても最近はアルカイダに共鳴する各地域の人間が、何か事を起こして勝手にアルカイダを名乗っているだけなのだそうである。ネットと同様に特に中心があるわけではないので、よけいにたちが悪い。たとえばそういう人たちには地球温暖化などの環境問題はどう映るのだろうか。自分は知ったことではないどころか、人が困ることに喜びを感じるのか。セキュリティ対策といっても、建て前はともかく、結局は一部の無法の人の行いのために、世界中の無関係な多くの人々に無駄なエネルギーを消費させていることでしかないように思える。