Facebookのユーザー数が世界で5億人に

 テレビのニュースにもなっていたが、Facebookがユーザ数5億人を突破したという。今春、アクセス数でGoogleを抜いたというから驚くには当たらないが、世界で何がこれほどの人気の秘密なのだろうか。

Facebook、ユーザー数が世界で5億人に達する(CNET Japan)
mixiとFacebook、ユーザーの相談内容に違い (ITmedia 3.10)

 米国だけでなく、世界に広がったこの1年半だけで2億人から5億人に達したのだという。何年か前まで勢いのあったMySpaceをちょうどその頃抜き去った形である。同じSNSといっても、何に惹かれるのだろうか。多分に国民性も関係しているような気がする。ネットのインフラだけが整っているからといって、SNSがさかんになるとも限らない。ここのところの急速なユーザ数の伸びは、むしろネットに接し始めることができるようになった国のユーザ数も大きいようだ。


 日本ではmixiがなんとなく飽きられてきており、SNSはどちらかといえば低年齢層化が進んできているといえる。それも携帯環境によるものや、ゲームに関係したものの方がさかんではないか。


 米国におけるFacebookなどのSNSは、根本的にリアルのコミュニケーションをネットを活用して見つけたいという願望がベースになっているような気がする。かつての知人を探すこともそうだし、求職のためにSNSを活用するなどの発想はそうしたものである。


 これに対して、日本ではリアルのコミュニケーションとバーチャルなコミュニーケションを分けて考えたがる。匿名性を個人情報保護やセキュリティの観点のみから論じるが、根本はそもそもネットを通じたリアルのコミュニケーションをそれほど望んでいないのである。正体を晒しては議論できないが、匿名だからこそ自由に振舞うことができるという発想がある。よく言えばシャイだが、悪くいえばコミュニケーション能力が乏しい国民性のためであろう。ネットで正体を晒して交流する場合には、本当に狭い範囲のムラ社会のようになる。同じSNSでも、オープンシステムとクローズトシステムくらいの差があるような気がする。


 とはいえ、日本でも徐々にではあるがFacebookのユーザ数が増えており、昨年末時点で139万人に達しているという。ユーザの傾向としてはmixiよりも、やはりコミュニケーションそのものに関心のあるユーザが多い傾向にあるという調査もある。「日本では・・」といっても世界でこれだけユーザ数が増えるとGoogleなどと同様に、日本でも無視はできなくなってくる。国内だけの交流ならmixiだが、海外の知人などが関係してくれば(留学生との交流などもありうる)、Facebookに参加せざるをえない状況にもなりうるだろう。