Yahoo!JAPANと米Googleの提携と国情の違い

 米国や英国からはYahoo!JAPANと米Googleの提携は独禁法に違反するとの認識のようである。一方で日本国内では独禁法には当たらないとしているため、現実に今回の提携となった。この温度差はグローバル化する世界にどう影響を与えるか。

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 Yahoo!JAPANの検索部門での「逸脱」は、米Yahoo!とBingでの提携でGoogleの追撃に力を入れるMicrosoftにはショックを与えたようでだ。「親会社」の意向を無視した形ではあるが、Yahoo!JAPANにとっての本当の親会社はソフトバンクである。ソフトバンクからすれば、Yahoo!JAPANは全体の戦略の中の1つに過ぎない。スマートフォンではAppleと提携しているため、GoogleAndroidはライバルにもなりかねない。ネットのいろいろな分野での合従連衡はありうる中で、同じYahoo!だからといって米Yahoo!に全面的に方針に従う必要はないという判断を明確にした形である。今後、米国と日本のネットの状勢にどういう違いが現れてくるか、興味深い。


 事実上、中国からは撤退を余儀なくされた一方、日本ではますます影響力を強めることになるGoogleであるが、同じWebの世界でも国情による差が大きく出てくるようである。