Google Waveは開発中止

 GoogleWebサービスの開発も当たり外れがあって、数が多い割にはそれほど成功したWebサービスも多いわけではない。華々しく開発が発表されても、いつのまにか開発中止になっているものも多い。今回はGoogle Waveの開発が中止になったという。あまり実態がわからないままブログでも何度か取り上げたが、ちょうど1年前に「Google Waveの開発状況」という記事を書いていたが、たった1年(もう1年?)で消え去る運命になった。

Google、Waveの開発を中止(ITmedia)
Google Waveプレビューへの10万人招待,9月30日スタート(09.9.30)
「なんという切なさ……」 「Google Wave」開発中止、入門書著者にTwitterで慰めの声

 このプロジェクトのリーダーは、あのGoogle Mapsの開発者だったはずである。その実績から考えると、また1つGoogleに画期的なWebサービスが誕生する期待は大きかったはずである。早いうちから開発者、ユーザにプロジェクトを公開し、ネットならではの早いピッチでサービスを作り上げていくはずだった。


 ところが開発者はともかく、思ったよりも一般ユーザを獲得できなかったという。次世代コラボレーションツールという触れ込みで、従来のチャットやメール、ブログ、SNSなどを統合したようなイメージのWebサービスだったようだ。なんとなく万能型Webサービスのようだが、そうしたものが必ずしもユーザにとっては有用であったり関心を引くものであるとは限らないようだ。ユーザの反応が鈍いと見るや、Googleの対応も早かった。あれだけ期待を煽ったプロジェクトは、まともにベータ版にお目にかかる以前に終了してしまうことになった。


 Google Waveのコンセプトの良し悪しはともかく、ここ1年ほどの情勢をみると、twitterFacebookの伸びが著しい。どちらも何でもできるというサービスではなく、むしろシンプルに目的がはっきりしているものである。ユーザは、多くのWebサービスが存在して忙しいくらいなので、とりあえずアクセスはしてみたけれど何をやっていいか迷うようなリッチなシステムより、シンプルに小回りができてしまうシステムの方が、ネットが進歩した現在ではむしろ受け入れやすくなっているようだ。Google Waveは、今の時代に正にtwitterFacebookの逆の方向を向いていたといえるかもしれない。少し時代が違っていれば、受け入れられたシステムだったかもしれない。しかしコンピュータやネットの世界では、タラ、レバは意味のないことであろう。