iPhone 4がドコモ回線で使用可能に

 自分のようなドコモユーザにとっては悩ましい事態になりそうだ。前にAndroidに関連した記事で「いくらSIMロックを解除したからといって、iPhoneをドコモで使えるなどということにはならないだろう」と決めつけて書いたのだが、その予想が良い意味で裏切られそうである。通信ベンチャー日本通信が、iPhone4向けのSIMロックを解除したSIMカードを販売し、これを利用すればiPhone4をドコモ回線で利用出来るようになるという。

ドコモ回線でiPhone 4を利用できるサービス--日本通信が8月中に開始(CNET Japan)
iPhone 4、ドコモ回線で使用可能に 日本通信が専用SIMカード発売(ITmedia)

 ドコモがiPhoneの争奪戦でソフトバンクに敗れたために、ソフトバンク=iPhone派、ドコモ=Android派のような色分けが出来つつあったが、ユーザとしてはなんとなく納得できないものがあった。回線のキャリアを選ぶことと、スマートフォン機種を選ぶことはレイヤーの異なることであるはずだからである。インターネットのプロバイダーの違いによって、利用出来るPCの機種が限定されるようなもので、おかしなことであるからだ。一方で、やっと国内ではSIMロックが解除されることになった。これで海外での利用がしやすくなるだけでなく、国内のキャリア間での移動にも便利になる可能性はあった。


 しかしキャリア間を跨いで同一機種を利用するにしても、いずれにしろキャリア移動のの契約変更が必要な話だった。MNP(Mobile Number Portability)によって電話番号は変わらなくなったものの、キャリア移動希望者の割合にあまり大きな影響はなかった。基本的に一度通信契約したキャリアを機種が変わるたびに変更するなどというのは面倒であるし、本末転倒の話のようである。


 ところがこのSIMカードを利用すれば、ドコモとの契約のままで、ソフトバンクとは新たな契約を結ぶ必要もないとのことである(日本通信との契約は必要だが)。では肝心のiPhoneの機器はどこから入手するかといえば、SIMロックフリーの海外の機種を輸入すればよいとのことである。いっさいソフトバンクを介さずにiPhoneが利用出来ることになる。


 その場合、ドコモでのサービスプランとの関係はどうなるか。たとえばXperiaなどと同様のプランになりうるのかどうか。また既存の携帯電話との併用(XperiaFOMAなど)のようなことは可能なのか。実際にSIMロックカードが販売されてから、少し研究してみた方がよさそうである。なんとなくゲリラ的な使用の感があるが、願わくば変なクレームや圧力がどこかから、かからないようであってほしい。