Dropboxに日本語版登場

 同期型ストレージサービスのDropboxが日本語版に対応した。ストレージの利用には英語のままでも違いはないが、日本語のメニューになったことで国内サービスとしての認知度が広がり、ユーザはさらに増えることになりそうだ。

クラウドストレージのDropboxに日本語版登場(ITmedia)
Dropboxの対抗馬、SugarSyncが日本語版サービスに(2010.12.2)

 ファイルの可搬性、セキュリティから考えると、ローカルディスクよりはむしろクラウド型ストレージの方が重要という認識に変わりつつある。かつてのように「手元にあれば便利で安全」ということにはならない。USBドライブのようにコンパクトで大容量なのはよいが、それだけ紛失、盗難、今回の震災の時のような不慮の事故によるクラッシュのことを考えると、危険性が増しているからである。クラウド型ストレージはID/パスワードの管理さえ厳格にしておけば、ファイルの事故は避けられる。


 最近では、さまざまなクラウド型ストレージが登場してきている。Dropbox対抗とされるSugarSyncなどもその1つである。大手ではMicrosoftのSkyDrive、Google Docsも事実上ストレージサービスを実現している。問題は、せっかくサービスを利用し始めたのに、提供側の都合で途中で撤退されてしまわないかということである。かつてのYahoo!ブリーフケースなどは、無償ユーザを途中で追い出してしまうようなことがあった。ファイルの引っ越しを余儀なくされるのでは、安心してファイルを保存しておくことができないし、信頼性が低いといわざるをえない。もっとも多数決の原理で、結局ユーザが多いサービスはどんどん信頼性が増し、そうでないサービスは信頼性が低下し撤退していくことになるのだろう。


 クラウドのサービスは広いが、一般向けにはまずストレージサービスが普及しつつあるようである。どこに行っても同じファイルを開くことができ、かつ他人と簡単に共有できるし、今後はスマートフォンでも簡単に扱えるようになることがポイントになるだろう。クラウドスマートフォンが、ネットの両極で繋がるイメージである。スマートフォンはPCのように大容量のディスクは持ちえないからである。


 そして今後は複数の異なるクラウドサービスを、どう連携させて使うかというアイデアが重要となってくるだろう。クラウド間を連携させる「隙間」サービスも登場するかもしれない。特に勧めるというわけではないが、そういうことを考えさせる下のような書籍も多く登場してきそうだ。


Evernote×SugarSync×Google クラウド活用パーフェクトブック

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