情報処理技術者試験

 日本人は刺客が、じゃなくて資格が好きだよね。権威主義というか、お上からのお墨付きがあると安心できる国民性なのかもしれない。水戸黄門の印籠みたいなものか。
 旧通産省情報処理技術者試験の下の方のやつを昔取ったことがあるが、あとは面倒くさくなって受けたことがない。むしろ自分が受けるよりも、人が受験するのを指導したりアドバイスする立場になってしまった。一番レベルの低い人は「資格を持っていれば就職できますか?」という妄想にとらわれている。それには「資格があれば就職できるほど、世の中甘くはありませんよ」ときっぱり言う。まともに大学の勉強なり、何かの専門の勉強で苦労したことのある人であれば、すぐにわかることだ。「資格さえあれば・・」と考えるのは、まともな勉強の経験したことのない人たちだから、人事の人間にも一発で見抜かれる。現場の人間には相手にもされない。
 私の知る限り、有能な人ほど資格なんか持っていなくても、バリバリ第一線の仕事をしている。何かの拍子に資格試験を受けたとしても、あっさりと合格してしまう。
 コンピュータ系の資格は数え切れないほどあり、資格で金儲けを企む組織さえある。コンピュータ技術者(IT技術者か)なんて、医者やレントゲン技師みたいに資格がなければ働けない業種じゃないんだから、何のために取得しようとするか、自分でもよく考えた方がいい。とはいえ、自分も記念に受けてみようかと思うのは、今春から始まった「テクニカルエンジニア(情報セキュリティ)試験」だね。
 厳密に言えば、セキュリティだけが専門という人はいないはず。その前にネットの専門家でなければならないはずだから。そこを誤解する人が「最近はセキュリティが重要だから、この資格さえ持っていれば就職・転職できる」と考えて、セキュリティ用語を暗記して試験に臨もうとするんだろうか。
さあて、来春まで高速マークシート記入のトレーニングでもするか。