Winny作者有罪判決

 一応、地裁判決では有罪になってしまったね。ソフトウェアを開発したこと自体が犯罪になるという世界にも例を見ない判決。どこかホリエモン村上世彰の事件に似たものを感じる。日本ならではの「出る杭は打たれる」「国策捜査的匂い」というところか。確かに当事者の言動が世の中的には鼻につくので、警察も動き出して別件逮捕的に有罪にしようとする。
 Winny作者の金子氏にしても「天才プログラマー」の称号をもらったくらい突出した存在だったわけだが、Winnyの開発が「著作権法のあり方に一石を投じる」みたいなことを確信犯的に吹聴していたのが当局に睨まれることになったわけだ。ホリエモンや村上がマスコミに向けてさかんに吹聴していたのと似ている。検察的には、見せしめとか一罰百戒の意味があるんだろう。
 しかしソフトウェアの開発が著作権侵害の幇助に当たる、という解釈はいかにも無理があるように思える。Winnyに代表されるP2Pソフトの話に限らず、著作権のあり方そのものが、もはやネット時代に適合していないことが根本的な原因になっている。テレビ番組などの録画もYouTubeみたいなものに簡単にアップできたりするわけだから、そんなソフトを作る人はみんな逮捕されなければならなくなってしまう。しかし時代が進めば、笑い話になってしまう裁判であるような気もする。