天皇誕生日

  天皇誕生日がクリスマスイブの前日というのは、なんだか変な感じだ。天皇陛下が日の丸を振る人に手を振っていたが、どうせまた正月に同じことをやるんだろうから。12月はいろいろな記念日があるようで、日米開戦日、赤穂浪士討ち入り、天皇誕生日、クリスマス、大晦日その他、そして第九が流れてと、いったい日本人は何が大事なんだというのがよくわからなくなる。無信教なので、何でも受け入れてしまう日本人の特性なのかもしれない。
 天皇制に関しては、日の丸・君が代で学校の先生が起立しないだの、ピアノを弾かなかっただのと裁判をやっている。天皇なんて意味がない、廃止すべきだみたいなことを簡単に言う輩が、先生も含めて増えてきたのは確かなんだろう。天皇に対して平気で失礼な発言をする人を増えた。
 天皇は象徴というものの、別に昔から北朝鮮だの中世のヨーロッパみたいに独裁者じゃなかったわけだ。安易なことを言う人は、もう少しよく歴史を認識すべきだろう。昔から天皇に権力があったわけではなく、天皇を祭り上げることをよって日本は統一ができてきた国だということを。イラク北朝鮮を見ればわかるように、独裁者が必要な国は独裁者が居なくなれば、国は自由どころかますます混乱してどうしようもなくなる。組織の中でも、特に何もやってくれなくても、あの人をトップに据えておけばまとまる、ということはある。日本ではクーデターみたいなことが起きないのも、天皇による形式的な統治という暗黙の了解が国民の中に続いてきたからこそで、古代からの日本人の知恵みたいなものだ。そういう基本的なことも理解できずに、右寄りも左寄りも騒いでいるだけではないのか。6カ国協議とかやっているが、その6カ国の中で、近代で自国でクーデターやら内戦がないのは日本だけだ。
 とはいえ、政治家のゴリ押しの「愛国心」も理解しがたい。やっていることを見ると、その愛国心とやらが一番希薄なのは自分らではないのかと。