ディープインパクトとばんえい競馬

 競馬のことはほとんど何も知らないとはいえ、武豊ディープインパクトくらいは知っている。クリスマスイブの今日引退レースだそうで、あまりスポーツの話題の少ない時期にマスコミにとっては貴重なイベントのようだ。フランス凱旋門賞の競馬で薬物疑惑のケチがついたときも、人間のスポーツ選手なら生命や健康の危険防止上、禁止にするのはわかるが、馬に対して、それも風邪薬程度で違反というのも滑稽な話だと思った。勝っている馬はいいが、怪我をしたり走れなくなったりした馬はすぐに薬物で安楽死させる世界なのに。しかしまあ、ディープインパクトも、今日の感動の?ラストランの後には、昔のハイセイコーやらオグリキャップやらのように、ファンの記憶には残っていくことになるのだろう。
 およそ華やかな中央競馬の正反対にも見えたのが、最近の話題で知った北海道のばんえい競馬。地方財政の赤字とともに3市が撤退予定で、帯広市だけが残るかどうかという危機的状況だったらしい。その映像を見たが、競馬というより重たい農耕馬にそりをつけて斜面とかを登らせたりするようなレースで、人馬一体の北海道開拓の歴史の産物には違いないが、昔の村祭りのイベントなどではともかく、現代ではレースを観戦するというには厳しいだろうと思った。
 ところが、ソフトバンクがこのばんえい競馬を全面的に支援することを表明し、地元は大喜びだという。ケータイ分野でなんとかディープインパクト?を与えたいソフトバンクだろうが、どういう意図か測りかねる。ケータイで馬券が買いやすいとかサービスが付くとかはあるだろうが、面白くないものを買いたいとは思わないし、ばんえい競馬のためにケータイを替えました、ということもありえそうにない。そういえば、かつてホリエモン近鉄買収に失敗した後、廃止が決定された高崎競馬に手を出そうとしたことがあった。IT企業と斜陽産業との結びつきの可能性は、まだまだよくわからないね。
 ソフトバンクなのに、九州でなくて北海道という組み合わせも不思議な感じだ。もっとも北海道だからといって日本ハムが参入とか言うと「こりゃ馬肉ハムの発売か?」と思われかねない。実際廃止になれば、馬は馬肉にされる運命だったそうだから。