加藤茶生還

 秋頃、体調不良で検査入院といって音沙汰がなかったと思っていたら、大手術をして生死の淵をさまよっていたそうだ。心臓と脳をつなぐ大動脈を人工血管に置き換える2日かがりの大手術だったとか。文字通りの生命線だよな。ちょうどまだ「太陽にほえろ!」をやっていた頃に大手術した石原裕次郎と同じ疾患だったとか。入院していたのも同じ慶応病院。ある人のお見舞いで1度だけ入ったことがあるが、どこの病院もそうだが、やはり長居はしたくない雰囲気だった。帰り際に急患の搬入口を見たが、ここから多くの有名人も極秘で運ばれたりするんだろうなと思った。

 ドリフターズといえば、つい2年ほど前にいかりや長介が亡くなり、その前には荒井注も亡くなっている。荒井注が亡くなったときはいかりやが弔辞を読み、いかりやが亡くなったときは加藤茶が弔辞を読んだのも記憶に新しい。立て続けに不幸が重ならなくてよかった。
 2000年の正月のフジフィルムのCMは、ドリフが本当に全員集合した最後のシーンだった。田中麗奈を含めて七福神に扮するのだが一人足りない。そこでダメ元で荒井注に交渉してみたらOKが出た。もともといかりやと軋轢があったことから、ドリフから脱退していたのだという。時間がそういうわだかまりも氷解させていたのだろう。志村けんも含めた6人のドリフは、昔のドリフを知っている人には壮観だった。
 加藤茶いわく、ドリフに解散はないとのこと。ドリフの笑いは個人ではなく、チームワークがあったからこそ可能なお笑いだったということを認識しているかららしい。ドリフはお笑いの原点だと思っていたが、その後のいろいろなお笑い芸人を見ても、むしろかなり異色の存在だったと思える。時代が過ぎ去っていくことを感じさせるが、加藤茶の「死ぬまでバカやっていきます」の言葉にはエールを送りたいものだ。