塾は禁止だとさ

 もう少し古いネタだが、朝日新聞にはときどき変な記事が載る。ノーベル賞受賞者の先生が「塾は禁止すべきだ」と言ってネット上でも物議を醸している。

 塾は禁止(朝日新聞)

 大体の反応は「なに言ってんだ」「小中の教育現場を知らない」というような批判が多いようだ。至極もっともだと思うので、あえてそれらに付け加えることはしない。
 だいたい、政府とか官庁主導の有識者会議などというものは、議論すべき場ではなくて、筋書きが決まっていて、それに都合のよい有識者を委員長とか座長に仕立てて、あとの委員はその一派かそれに賛成する人しか選ばれない。実際にはその座長を囲んでの雑談みたいなもので、あとは黒子の事務方が都合の良いように議事録や報告書をまとめているのが実態だろう。本間氏で騒がれている政府税調も同じようなものだ。
 この塾禁止の話もそんな雑談の中で、ノーベル賞の先生が「私の子供の頃はねえ〜」みたいな自慢話が議事録に載って、それを朝日が針小棒大に採り上げただけような気がする。朝日新聞だからね。

 
 それにしてもノーベル賞受賞者なんだから、下々の塾通いの批判なんかするより、もっと日本の新しい教育の奇抜なアイデアでも出したらどうなのかね。ノーベル賞も大きく分けると、年齢に関係なく斬新な研究成果に与えられるものと、長年の研究の功労賞みたいなものになるようだが、奇抜なアイデアを出せるのは前者タイプだろう。この先生はどちらかというと後者タイプではないのか。同じ化学賞なら、田中耕一さんの方がユニークなアイデアを出してくれそうだ。もっとも依頼されても、受けてくれそうにもないが。