納豆ダイエットはウソ

 なんだか急に納豆がブームになったと思っていたら、普段見ない番組だが「あるある大事典」がルーツだったのか。以前から、みのもんたの「おもいッきりテレビ」なんかで、納豆に含まれるナットウキナーゼが高血圧に効くという話は知っていたが、いつのまにかダイエットにもいいことになって、女性にウケてブームになったのだとか。おかげでスーパーなどでは売り切れ状態だったという。
 自分は子供の頃から納豆は必需品だが、こんなふうに痩せる効果があるなどという話で、普段あまり食べない人まで急に買い出して品切れというのも迷惑な話だと思っていた。関西テレビの番組制作だったそうだが、関西系の人は食習慣の違いで納豆が食べられない人が多いはずで、ダイエット効果を信じて無理して食べていた人も多かったのだろうか。


 なまじブームになったおかげで注目され、かえって「これは怪しい」とウソがばれてしまったということか。それとも番組自体、ねつ造の連続だったので「あまりにもひどい」ということで、内部告発されたのか。不二家の事件といい、このての発覚はだいたいが内部告発だろう。関係者の間では常識のことだったが、良識があるわずかな人か、内部に恨みを持つ人に告発されたというのがオチだろう。テレビ業界は、どの局もヤラセ、ねつ造だらけなのにはあきれる。
 ねつ造発覚の反動で、今度は逆に納豆が大量に余ることになったら、納豆業界は風評被害に遭ったようなもので、こちらが訴えた方がいいかもしれない。


 納豆といえば昔、アントニオ猪木とオランダの柔道金メダリストのウイリアム・ルスカとの異種格闘技戦のことを思い出す。その会見の席でルスカが「私はいつもチーズを食べているから強い。猪木もチーズを食えばいい」と言ったのに対し、猪木は「俺は納豆を食っているから元気だ」とやり返した。これに納豆業界が反応し、試合当日の会場には納豆の幟が上がった。当時、猪木にあこがれた少年達はさぞ進んで納豆を食べたことだろう。もっとも庶民にとっては、チーズなんて高くて、ごはんに納豆が定番だったわけだが。