植草元教授保釈

 かつて、あれだけ舌鋒鋭い経済批評でマスコミで活躍していた植草元教授が転落の末、ようやく保釈されたとのこと。1度ならずも2度までも劣情を抑えきれなかった末の犯行だったのだろうか。あれだけ優秀なキャリアを持ちながら、あまりの転落のギャップに世間の嘲笑を買ったというところだろう。
 下半身に人格なしとはいうが、淫行の事件を起こしながら県知事に当選したそのまんま東とは違い、元が優秀なだけに許されないという心情もあるようだ。

 しかし、擁護するわけではないが、どうも府に落ちない感じがする。あれだけ顔も知られた有名人になってしまった後に、素顔のままでどうして破廉恥な行為までするに至ったのか。正常な人間ならば、誰でもスケベ心はあるし、誘惑に負けそうになるときもあるだろう。だが、あれだけ社会的地位のある人間ならば、それも踏まえた上でのリスク管理ができていなかったという方が不思議だ。大学の先生の中には、満員電車で何らかの拍子に痴漢に間違われるのが怖いから電車には乗らない、という人さえいる。有名人ともなれば、むしろ因縁をつけてきて慰謝料を掠め取ろうとたくらむ人間さえいないとも限らない。経済のリスクを論じる植草元教授ほどの人間が、その程度の自己管理もできていなかったとは、どうも信じられないのだ。世俗的には「変態」の一言で片付けられてしまうのだろうが、本当にその程度の人だったのだろうか。


 特に現行犯で逮捕されたときには、通報で警察官が駆けつけたというより、すでに周囲を当局にマークされていたと思える。なにか謀略説すら信じたくなる。そして再犯を否認していたとはいえ、凶悪犯でもないのに4ヶ月間も拘置される必要はあったのだろうか。むしろ犯罪の性格からすれば、被害者との示談を優先させるべきだろう。ホリエモンの事件の場合と同様に、何か国策捜査的な匂いさえする。少なくとも、ただの変態の事件の扱いにしては異常であり、それなら拘置するより精神鑑定でもした方がよほどましな扱いだったと思う。