井川が将棋親善大使

 ヤンキースの井川が将棋親善大使に任命される。誇らしげにデカい王将駒を持って、なにか笑ってしまう絵柄だ。そのうち、ホームベースに「王将」とサインしたらどうか。

井川“SHOGI”でコミュニケーション

 阪神のことはあまり知らないので、ヤンキース入りするまで井川はどういう人なのかもよく知らなかったが、垢抜けない面白い兄ちゃんのようだ。童顔のせいもあるが、アニメおたく、ラジコンおたく、それに将棋もかなり好きな、田舎の少年のイメージが抜け切っていない人に見える。ノーヒットノーランを達成した試合の直前にも、同僚の選手と将棋を指していたほどだという。投球は打者との配球の「読み合い」ということで、将棋と相通じるものがある、というのはあながち的外れな話ではないのかもしれない。


 井川に限らず、阪神では今岡とか、ヤクルト古田など野球選手で将棋が好きな人は多いらしい。昔の選手ならいざ知らず、今のようにテレビゲームやらいろいろ娯楽が多い時代に、将棋好きというのも珍しい。自分も子供の頃は、将棋に入れ込んだ方なので、なにか親近感を覚える。だいたい歳をとるにつれて相手がいなくなるもので、それっきりということが多い。

 ところが井川はNYに行くというのに、将棋も手放さないつもりらしい。それどころか、NYで将棋を広めてきたいのだという。ヤンキースのロッカールームでも将棋盤を広げるつもりなのだろうか(笑)。相手をしてくれそうなのは松井と広報の広岡氏、それに専属通訳になる高見山ジュニアか。ヤンキース番の記者にも将棋好きがいればいいが。ただ、選手に広めるには、やはり駒の漢字表記がネックになりそうだ。まあ模様だと思えばいのいかもしれないが、もう少しチェスのように、国際的な駒なんて作れないものか。


 井川といえば、あの星野監督が近くでピリピリしていても全く動じないほど、マイペースなのだという。入団会見でも堂々とカタカナで英語を読んだスピーチをして、地元メディアの笑いを取りながら好意的に受け取られていたし、メディアの風当たりの強いNYでも、動じずに力を発揮できれば面白い。メジャーで活躍できてこそ、将棋の普及も進むというものだろう。ガンバレ!井川。